秋田県の「乳頭温泉」で、硫化水素中毒による事故が発生

平成27年3月18日(水)午後5時ごろ、秋田県仙北市田沢湖の乳頭温泉郷で、男性3人が倒れ1人が死亡。他の2人は心肺停止状態。温泉(源泉)に含まれる硫化水素で中毒になった可能性。

3人のうち2人は作業員で1人は市職員。作業員2人が源泉の湯量を確認し、源泉と水の量を調整するエアバルブの調整をしていたところ倒れ、駆けつけた市職員も倒れたとのこと。

事故の概要

  • 発生日時:平成27年3月18日(水)午後5時ごろ
  • 発生施設:乳頭温泉郷(にゅうとうおんせんきょう)
  • 発生場所:秋田県仙北市田沢湖生保内(おぼない)
  • 死傷者:3名
  • 原因:温泉(源泉)に含まれる硫化水素で中毒になった可能性
  • 付近の積雪:2.5メートル
  • 当時の天候:風が弱くガスの拡散が少なかったと思われる。

事故現場付近の地図(Googleマップ)

硫化水素中毒による事故

硫化水素は硫黄と水素の無機化合物。無色の気体で卵の腐ったような臭いです。空気より重く、無色で水溶性で弱い酸性。高濃度の硫化水素を吸った場合、肺の酸素分圧が低下することによる呼吸麻痺を起こし、昏倒し死亡する場合があります。「ノックダウン現象」とも呼ばれます。

火山ガスや温泉などに含まれます。空気よりも重いため火山地帯、温泉の吹き出し口などの窪地に溜まることが多いので注意が必要です。

2005年12月には、秋田県湯沢市高松の泥湯温泉(どろゆおんせん)で、家族4人が硫化水素が溜まった窪地で死亡する、痛ましい事故も発生しています。この事故は、駐車場の近くにあった窪地で、倒れていた子供2人と母親を助けようとした父親も亡くなられています。

硫化水素による急性中毒者の不用意な救出は、深刻な二次被害の危険性があります。

また発生が室内の場合、不用意に換気した場合、空気より重いので拡散が遅く周囲への二次被害の危険性があります。

硫化水素の危険度(濃度)

  • 1,000 ppm- 2,000ppm (0.1 – 0.2 %):即死
  • 600ppm:約1時間で致命的中毒
  • 200ppm – 300ppm:約1時間で急性中毒
  • 100ppm-200ppm:嗅覚麻痺

※1ppm = 0.0001%(10,000ppm で空気中のの濃度が 1%になります。)

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