対向車に衝突された「もらい事故」で、約4000万円の賠償を命じる判決

福井地裁で平成27年4月に、対向車線の車が居眠り運転でセンターラインをはみ出し、自分の車に衝突した交通死亡事故の裁判で、衝突された側に、約4000万円の賠償を命じる判決。

この交通事故での裁判では、衝突された側(被害者)にも賠償を命じる判決が下され、理不尽ではないかとの多くの意見がネットで議論されています。

この事件について、ニュース記事などを元にアーカイブしています。

事故の概要

2012年4月に大学生が運転していた車が、居眠りで運転操作を誤り、センターラインを越えて対向車に衝突。大学生の車の助手席に乗っていた男性が死亡。

大学生が運転していた車の保険は、所有者である死亡した男性および家族のみの適用であったため、死亡した男性の遺族が衝突した車の運転手に損害賠償を求めていた。

今回の裁判で指摘された内容

裁判では、衝突された側に過失がなかったことを証明できなかったとして4千万円の賠償を命じる判決。その根拠が「自動車損害賠償保障法(自賠法)3条」

自動車損害賠償保障法(自賠法)3条

自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。

具体的には、自動車の所有者などの『運行供用者』が、下記の3点を自から立証(証明)しない限り責任を免れないとしています。

  1. 注意を怠らなかったこと
  2. 第三者に故意や過失があったこと
  3. 自動車に欠陥がなかったこと

ニュース記事から抜粋

今回の判決では、「対向車側の運転手が、どの時点でセンターラインを越えた車を発見できたか認定できず、過失があったと認められない」とする一方で、「仮に早い段階で相手の車を発見していれば、クラクションを鳴らすなどでき、前方不注視の過失がなかったとはいえない」と注意を怠らなかったことの証明が尽くされていないとしている。

弁護士の見解としては

対向車線をはみ出して走ってくる自動車の存在に気づいた位置を特定でき、その時点で直ちに停止措置をとったり、クラクションを鳴らしたりしていたとしても、衝突を回避することが到底不可能であったとしたら、責任は否定されるそうです。

控訴審で判決内容が変わる可能性も指摘されています。