ひき逃げの検挙率と刑罰

犯罪白書[平成27年版]によると、年平均で約1万件のひき逃げ事件(軽傷を含む)が発生しています。

※平成26年の死傷事故(単独事故を含む)の発生件数は、573,842件で、この内ひき逃げ事件は9,231件です。

検挙率については、死亡事件で95%以上、重傷事件では約66%です。(平成22年から平成26年の平均)

ひき逃げ事件の状況

死亡事故の28件に1件は、ひき逃げ事件。

平成26年の交通死亡事故発生件数(単独事故を含む)は、4,013件(ひき逃げは143件)であり、単純計算では約28件に1件がひき逃げ事件です。

発生件数

平成22年から平成26年のひき逃げ事件(軽傷、重傷、死亡を含む全件数)

  • 平成26年:9,231件(死亡:143件|重傷:773件)
  • 平成25年:9,699件(死亡:151件|重傷:776件)
  • 平成24年:10,198件(死亡:169件|重傷:831件)
  • 平成23年:11,278件(死亡:183件|重傷:856件)
  • 平成22年:11,960件(死亡:160件|重傷:911件)

検挙率

平成22年から平成26年の平均では、死亡事件の95%以上が検挙されています。
※カッコ内は重傷事件。(前年以前に発生した事件の検挙を含むため、データーでは100%を超える年もあります。)

検挙率

  • 平成26年:102.7%(72..3%)
  • 平成25年:92.7%(67.3%)
  • 平成24年:98.8%(69.6%)
  • 平成23年:90.2%(64.8%)
  • 平成22年:92.5%(58.8%)

街頭の防犯カメラ

昨今では街頭への防犯カメラの設置、ドライブレコーダーを搭載する車も増えており、検挙率の向上につながっています。

ひき逃げの罪と罰

ひき逃げ事件では、被害者の死傷状況、人数、運転者の飲酒の有無、危険運転、免許の有無など、悪質性によって刑罰が大きく変わってきます。

ひき逃げ事件では、ほとんどにおいて、下記1~4の刑事罰が科せられます。

  1. 負傷者の救護と危険防止の措置違反:5年以下の懲役又は50万円以下の罰金
    (運転者の運転に起因する場合は10年以下の懲役又は100万円以下の罰金 )
  2. 事故報告の義務等違反:3ヶ月以下の懲役又は5万円以下の罰金
  3. 現場に留まる義務違反:5万円以下の罰金
  4. 自動車運転過失致死傷罪:7年以下の懲役もしくは禁錮 又は100万円以下の罰金

危険運転に該当する場合は、「危険運転致死傷罪」となり、被害者が負傷の場合は、15年以下の懲役、 死亡した場合は20年以下の懲役 となります。また事故後に故意に何度も轢いたりした場合は、殺人罪が適用される場合もあります。

時効は?

  • 自動車運転過失致死:10年
  • 危険運転致傷罪:10年
  • 危険運転致死罪:20年

飲酒した状態でのひき逃げでは、下記の刑罰が加わります。

  • 酒酔い運転:5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
  • 酒気帯び(0.25mg以下):3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
  • 酒気帯び(0.15~0.25mg):3年以下の懲役又は50万円以下の罰金

さらに飲酒を隠すために、その場から逃げた場合は、「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」が加わります。法定刑は12年以下の懲役です。

通常の交通死傷事故は「過失運転致死傷罪」であり、刑事罰は最高でも懲役7年です。また過失相殺などによって、実刑にならず執行猶予となる場合もあります。責任の重さは状況により異なりますが、あくまでも事故(過失)であり、状況によっては偶発的または不可抗力に近いケースもあるかと思います。

ひき逃げ

「ひき逃げ」は事故でなく、事件(犯罪)になります。その場で救急車を手配するなど、救護措置を行っていれば、助かる命も少なくないと思います。裁判においては、ほぼ100%実刑であり、他の罪が併合罪として加重される場合や、再犯加重(※)の場合などは、最長で30年の懲役です。また自首も成立しにくいといわれ、示談交渉においても困難な場合が少なくありません。(示談成立の有無は、量刑に大きく影響します。)

※懲役刑を受けた者が刑の執行を終了または免除から、5年以内に再度罪を犯した場合、その罪について定めた懲役の長期の2倍以下まで科せられます。

刑事罰だけではありません。賠償責任(原則として自賠責保険、任意保険は適用される。)、行政処分(※)、社会的な制裁(勤務先からの懲戒処分など)も発生します。被害者を死亡させたり、後遺症を負わせた場合などは、生涯にわたり罪の意識を背負うことになります。

※ひき逃げ「救護義務違反」は、軽傷事件であっても免許取消しです。行政処分は35点で、欠格期間は3年(前歴なしの場合)です。前歴ありの場合や、他の法令違反などが加算された場合、最長で10年間は免許の再取得ができません。

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