高齢ドライバーによる交通事故と対策

高齢者の運転による交通事故が目立っています。事故の発生状況と対策をまとめています。

高齢者の運転による死亡事故は、2004年以降毎年400件を超えています。2014年では、死亡事故全体の12.9%です。

高齢者の運転免許保有状況

※データーの出典:警察庁(平成27年の統計データーから)

平成27年末現在では、免許保有者人口(8215万0008人)のうち、約5人に1人(20.8%)が65歳以上の高齢者です。※カッコ内は運転免許保有者全体の比率

  • 65歳~69歳:760万9748人(9.3%)
  • 70歳~74歳:471万1130人(5.7%)
  • 75歳~79歳:281万7522人(3.4%)
  • 80歳~84歳:143万9697人(1.8%)
  • 85歳以上:52万2749人(0.6%)

高齢者ドラーバーの事故

運転時認知障害早期発見チェックリスト30

※埼玉県警察ホームページ(利用規約に基づき出典)
https://www.police.pref.saitama.lg.jp/f0010/kurashi/checklist30-list.html

30問のうち5問以上にチェックが入った方は要注意です。

  1. 車のキーや免許証などを探し回ることがある。
  2. 今までできていたカーステレオやカーナビの操作ができなくなった。
  3. トリップメーターの戻し方や時計の合わせ方がわからなくなった。
  4. 機器や装置(アクセル、ブレーキ、ウィンカーなど)の名前を思い出せないことがある。
  5. 道路標識の意味が思い出せないことがある。
  6. スーパーなどの駐車場で自分の車を停めた位置が分からなくなることがある。
  7. 何度も行っている場所への道順がすぐに思い出せないことがある。
  8. 運転している途中で行き先を忘れてしまったことがある。
  9. 良く通る道なのに曲がる場所を間違えることがある。
  10. 車で出かけたのに他の交通手段で帰ってきたことがある。
  11. 運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった。
  12. アクセルとブレーキを間違えることがある。
  13. 曲がる際にウインカーを出し忘れることがある。
  14. 反対車線を走ってしまった(走りそうになった)。
  15. 右折時に対向車の速度と距離の感覚がつかみにくくなった。
  16. 気がつくと自分が先頭を走っていて、後ろに車列が連なっていることがよくある。
  17. 車間距離を一定に保つことが苦手になった。
  18. 高速道路を利用することが怖く(苦手に)なった。
  19. 合流が怖く(苦手に)なった。
  20. 車庫入れで壁やフェンスに車体をこすることが増えた。
  21. 駐車場所のラインや、枠内に合わせて車を停めることが難しくなった。
  22. 日時を間違えて目的地に行くことが多くなった。
  23. 急発進や急ブレーキ、急ハンドルなど、運転が荒くなった(と言われるようになった)。
  24. 交差点での右左折時に歩行者や自転車が急に現れて驚くことが多くなった。
  25. 運転している時にミスをしたり危険な目にあったりすると頭の中が真っ白になる。
  26. 好きだったドライブに行く回数が減った。
  27. 同乗者と会話しながらの運転がしづらくなった。
  28. 以前ほど車の汚れが気にならず、あまり洗車をしなくなった。
  29. 運転自体に興味がなくなった。
  30. 運転すると妙に疲れるようになった。

最近の高齢者運転による主な事故

判断力の低下が原因と推測される逆走事故や、ブレーキとアクセルの踏み間違え事故が目立っています。
平成27年では、ブレーキ踏み間違え事故が約5800件発生し、このうち4割が65歳以上の高齢者になっています。

立川市の病院で高齢女性による死亡事故

  • 発生日:平成28年11月12日
  • 発生場所:東京都立川市
  • 状況:「国立病院機構災害医療センター」の敷地内で入院する夫の見舞いに来ていた女性(83)が運転する車が、敷地内の歩道を歩いていた男女2人をはねる。2人は死亡しています。

集団登校中の小学生が死傷

  • 発生日:平成28年10月28日
  • 発生場所:神奈川県横浜市
  • 状況:集団登校中の小学生の列に、軽自動車が突っ込み男児1人が死亡。(8人が重軽傷)この事故では、運転していた高齢男性(87)に認知症の疑いが持たれています。

ブレーキの踏み間違え

  • 発生日:平成27年10月31日
  • 発生場所:愛知県知立市
  • 状況:国道1号線沿いの和菓子店に乗用車が突っ込み、12人が重軽傷。

軽自動車が歩道に侵入

  • 発生日:平成27年10月28日
  • 発生場所:宮崎県宮崎市
  • 状況:軽自動車が歩道に侵入し暴走。歩行者の女性2人が死亡。(4人が重軽傷)

軽自動車が高速道路を逆走

  • 発生日:平成28年7月13日
  • 発生場所:岡山県倉敷市
  • 状況:乗用車が山陽自動車道を逆走し、大型トラックと正面衝突。乗用車の女性が死亡。

  • 発生日:平成27年7月13日
  • 発生場所:静岡県浜松市
  • 状況:東名高速で軽自動車が逆走し、バイクと正面衝突。バイクの男性2人が死亡。

  • 発生日:平成27年9月14日
  • 発生場所:長野県千曲市
  • 状況:長野自動車道で軽自動車が逆走し、大型トラックと正面衝突。乗用車の男性が死亡。

事故の予防・対策

高齢者になると運動能力や認知能力の衰えから、運転中の危険予知、危険回避に支障をきたす場合があります。特に運転中の視野では、20歳代の若者と比べ狭い範囲となり、横からの歩行者の飛び出しなどに、迅速な対応が困難になってきます。

認知機能検査

  • 概要:「記憶・判断力が低くなっている」と判定された75歳以上の運転者全員に、医師の診断が義務付けられ、認知症と診断された場合は免許停止か再交付が停止されます。
  • 実施:平成29年3月から(予定)

免許の自主返納と優遇制度

  • 概要:各自治体が実施(1998年から導入)
  • 特典など:自治体により異なりますが、バスやタクシー、飲食店などでの割引サービスなどが受けられます。
  • 返納率:平成27年末現在の返納率(65歳以上)は、約2%となっています。

高齢者の運転マークは義務?

高齢者マーク

正式名称は「高齢運転者標識」です。道路交通法に基づく標識の一つで、70歳以上の運転者が運転する普通自動車に表示します。

道路交通法では、75歳以上の高齢運転者標識を付けないで普通自動車を運転することは、禁じられています。(70歳以上は努力義務規定)
罰則については、当面の間適用しないとなっており、平成28年11月現在では、違反者に対する罰則はありません。

他の運転者には、保護義務があります。

この標識を掲示した車両に、幅寄せ・割り込みなどの行為を行った場合、「初心運転者等保護義務違反」に問われます。

  • 行政処分:1点(基礎処分)
  • 反則金:6,000円(普通自動車)
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