柿タンニンを使った消毒液で
感染リスクを低減
柿渋液は、熟していない柿の果実を粉砕・圧搾して作られた果汁(エキス)のこと。この柿渋液から抽出したタンニンと消毒用アルコールの混合で、「ノロウィルス」に対して、高い殺菌効果が期待されています。(99.9%消毒できたという研究結果もあるそうです。)
柿渋タンニン・消毒液の作り方
- 熟していない柿(まだ青い未熟な渋柿)を用意
- 沸騰したお湯で5分程度ゆでる。
- 取り出した柿を絞り、果汁(エキス)を抽出
- 消毒用アルコールで3倍に薄める
※甘柿や干し柿は使えません。
※消毒用アルコール(エタノール)以外は絶対に使用しない。薬局等で購入しましょう。
柿渋が入手しにくい、作るのが面倒な人は・・・
市販の「柿渋液」を使うこともできます。
本来はフローリングなどの住宅用木材の保護塗料や柿渋染めの染料として使用するものです。
- 1リットルの消毒液を約1,000円で作ることができ経済的です。(柿渋液+消毒用エタノールの価格)
- 無臭タイプを選びましょう。
- 消毒用アルコールで薄める場合は、10倍にします。(柿渋1:エタノール10の割合)
※柿渋の濃度が高いためです。また口に入れないように注意。 - 防腐剤など添加物が入っている場合があるため、消毒後は水で十分に洗います。
- 小さな子供が間違って飲まないように、柿渋液、消毒液の保管には注意しましょう。
柿タンニン液のスプレーで消毒しよう!
- まな板などの調理器具
- 便座などのトイレの設備
- ドアノブなど手に触れる場所
ノロウィルスはアルコール消毒だけで撃退できない
ウィルスには、核の外側に脂質二重膜からなる被膜をもつ「エンベロープウィルス」と被膜を持たない「非エンベロープウィルス」があるそうです。ノロウィルスは後者のタイプであり、アルコール消毒では殺菌できないそうです。(前者はインフルエンザウィルスなど)
柿に含まれるタンニンは、この非エンベロープウィルスに対し、有効な抗ウィルス効果が期待できるそうです。(広島大学での研究から)
ノロウイルス食中毒予防のポイント
- 手洗いの徹底(アルコール消毒、通常の石鹸では完全に予防できません。)
- 消毒には次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)が効果を発揮します。家庭用の塩素系漂白剤を水で、50倍~250倍程度(※)に薄めます。
- 食品の十分な加熱(中心温度85℃から90℃で90秒間以上)
- 調理器具類の十分な洗浄消毒
- 調理従事者の体調管理(下痢や嘔吐等の症状がある場合は調理を行わないなど)
- 嘔吐物などの適切な処理
※上記2で作った消毒液・・
- 100倍に薄めたもの:タオルに消毒液をひたして消毒する場所を拭きます。(時間をおいて水拭きする)※500ミリリットルのペットボトルのフタを裏返して、漂白剤を入れボトル1杯の水で薄めるのが目安。
- 250倍にうすめたもの:フィンガースプレーを取り付け、消毒する場所にスプレーします。
ノロウィルスの感染経路
ノロウィルスの特徴
- 人の小腸でのみ増殖し、胃腸風邪のような症状(激しい下痢や嘔吐等)を起こします。(症状は一般に数日で回復します。)
- 少ないウイルス量(10個以下)でも感染します。症状がなくなってからも、1週間程度は、便とともにウイルスが排泄され、感染の原因になることがあります。
- 感染しても症状のでない人もいますが、便にはウイルスが排泄されます。
- ノロウィルスには数種の型があります。抗体による免疫が異なるため、一度治癒しても、別の型のウィルス感染した場合には、繰り返し発症する場合があります。また同じ型のウィルスでも免疫が続く期間は、大人で2年程度といわれています。