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夏の天候・気温と災害(2017年)

気象・災害を振り返りリスクの予見
2017年(平成29年)6月の気温は全国的におおむね平年並み、7月の気温は全国的に平年より1℃以上高く暑い日が多くなりました。8月の気温は東海から九州・沖縄で、平年より気温が高い日が多くなっています。
甚大な被害を出した災害は、7月の「九州北部豪雨」と10月の「台風21号」です。
[目次]
夏(6月から9月)の気温と天候
平年より2℃以上高い |
平年より1℃以上高い |
平年より1℃以上低い |
平年値は過去30年の観測データー(平均)です。現在は1981年から2010年が対象になっています。(10年ごとに見直されます)
おもな地点の気温データーです。上段が2017年の気温、下段が平年値です。(単位:℃)
地点 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
札幌市 | 16.0 | 22.9 | 21.7 | 17.7 |
16.7 | 20.5 | 22.3 | 18.1 | |
秋田市 | 17.6 | 24.6 | 24.9 | 20.1 |
19.2 | 22.9 | 24.9 | 20.4 | |
仙台市 | 18.6 | 25.1 | 23.0 | 21.1 |
18.5 | 22.2 | 24.2 | 20.7 | |
新潟市 | 19.0 | 25.9 | 26.2 | 21.7 |
20.7 | 24.5 | 26.6 | 22.5 | |
東京 (区内) |
22.0 | 27.3 | 26.4 | 22.8 |
21.4 | 25.0 | 26.4 | 22.8 | |
名古屋市 | 22.4 | 28.1 | 28.1 | 23.6 |
22.7 | 26.4 | 27.8 | 24.1 |
地点 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
大阪市 | 22.7 | 28.8 | 29.2 | 24.4 |
23.5 | 27.4 | 28.8 | 25.0 | |
広島市 | 22.5 | 28.4 | 29.0 | 23.4 |
23.0 | 27.1 | 28.2 | 24.4 | |
鳥取市 | 21.1 | 27.8 | 27.3 | 22.0 |
21.7 | 25.7 | 27.0 | 22.6 | |
高知市 | 22.9 | 27.8 | 28.9 | 24.2 |
22.9 | 26.7 | 27.5 | 24.7 | |
福岡市 | 23.1 | 29.4 | 29.5 | 24.3 |
23.0 | 27.2 | 28.1 | 24.4 | |
鹿児島市 | 23.3 | 29.2 | 29.7 | 25.7 |
24.0 | 28.1 | 28.5 | 26.1 | |
那覇市 | 26.6 | 29.9 | 30.4 | 28.9 |
26.8 | 28.9 | 28.7 | 27.6 |
6月と7月の天候(梅雨の時期)
東日本(太平洋側)や西日本は梅雨前線の影響を受けにくく、降水量が少ない地方が多かった。梅雨前線の活動が活発となった7月には福岡県、大分県を中心とした「九州北部豪雨」など記録的な大雨による災害が発生。
また東北(北部と南部)の梅雨明けの時期は、2009年以来8年ぶりに「特定しない」となっています。
8月の天候(東京都心の日照時間は過去最短)
北日本と東日本太平洋側で、曇りや雨の日が多く天候不順が続き、日照時間がかなり少なくなっています。
東京都心の日照時間は平年(※)の約半分の83.7時間で、8月としては観測史上もっとも短くなっています。※平年の日照時間は169.0時間
熱中症の搬送人員(全国)
※消防庁のデーターから
5月~9月の搬送人員は52,984人で、前年同期より2,572人増加しています。また65歳以上の高齢者が約半数(48.9%)を占め、25,930人となっています。
月 | 搬送人員 | 死者 |
5 | 3,401人 | 2人 |
6 | 3,481人 | 1人 |
7 | 26,702人 | 31人 |
8 | 17,302人 | 14人 |
9 | 2,098人 | 0人 |
週別でみると7月10日~7月16日が7,796人でもっとも多くなっています。前週より約3,400人以上増加しています。 この週以降、8月27日までの週平均は約5,300人です。
8月28日~9月3日の週は1,471人で、前週より3,000人近く減少します。
この週以降は搬送人員が大きく減少します。
熱中症の発生場所
- 住居:19,603 人(37.0%)
- 屋外施設:7,351 人(13.9%)
- 道路7,131(13.5%)
- 仕事場:5,648 人(10.7%)
人口10万人あたりの搬送人員
- 沖縄県:90.26人
- 鹿児島県:89.67人
- 宮崎県:78.35 人
- 熊本県:78.21 人
- 佐賀県:75.29 人
台風の発生と接近・上陸数
(1)発生数(上段)と接近数(下段)
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | |
2017年 | 8 | 5 | 4 | 3 |
4 | 2 | 2 | 2 |
※接近数は前月に発生した台風を含みます。
(2)上陸数
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | |
2017年 | 1 | 1 | 1 | 1 |
おもな災害の記録
九州北部豪雨(7月)
2017年7月5日から6日にかけて、福岡県と大分県を中心に発生した豪雨で、死者37名・行方不明者4名を出す甚大な被害が発生しました。
気象状況としては、7月4日まで北陸付近にあった梅雨前線が7月5日未明から西日本付近に南下。同日の朝から島根県西部で発達した雨雲が、150kmにわたり帯状に連なる「線状降水帯」を形成。記録的な豪雨になりました。
気象庁は5日5時55分に、島根県(西部の浜田市・益田市・邑南町・津和野町)に「大雨特別警報」を発表。同日17時51分に、福岡県の筑後地方と筑豊地方を中心とする地域に、19時55分には大分県のほぼ全域にも「大雨特別警報」を発表。
被害状況
- 死者:37人(福岡県34人・大分県3人)
- 行方不明者:4人
- 全壊:288棟
- 半壊:1079棟
- 一部破損:44棟
- 床上浸水:173棟
- 床下浸水:1383棟
- 被害総額:2240億円
1時間の最大降雨量
- 福岡県朝倉市朝倉:129.5mm(観測史上1位)
- 大分県日田市日田:87.5mm
- 福岡県朝倉市寺内:169mm
九州北部の梅雨明けは、7月13日(平年19日)でした。例年梅雨の末期になると、南西方向からの暖かく湿った空気が日本へ流れ込み、梅雨前線の活動が活発になります。西日本では大雨の日が多くなります。
超大型の台風21号(10月)
10月16日に発生した台風21号は、強風域の直径が2000キロ以上におよぶ「超大型台風」の台風となりました。(20年ぶり)
10月22日午前6時には、中心気圧が925hPa(中心付近の最大風速は毎秒18メートル) 中心付近の最大風速は50m/s(最大瞬間風速:70m/s)まで発達しています。
全国で3人が死亡し1人が行方不明、135人が負傷する大きな被害をもたらしました。
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