雷が鳴ったら!落雷事故を防ぐピカゴロ対策

落雷事故の死傷者は年間20人前後

#雷が鳴ったら!? 屋外にいるとき、家の中にいるときの安全対策をまとめています。死亡事故でもっとも多いのは平地での雷の直撃、次に木の下での雨宿りです。全国での落雷観測数は年間で100万回を超えます。落雷だけでなく 雷サージ(誘導雷)による家電製品、パソコン等の故障にも注意が必要です。

雷が鳴ったら!

イメージ画像

[目次]

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屋外でのカミナリ

(1)危ない場所と避難場所

  • 建物の軒先は危険です。建物に落雷した場合、外壁などを伝わり感電する場合があります。建物の奥に避難します。
  • 自動車の中は安全です。ただし窓を締め切り、ボディなどの金属面には触れないこと。
  • 公園などでは高い木から離れる。
  • 東屋(あずまや)も危険と指摘されています。(孤立でなくても周囲の木々に落雷)
  • トイレなど頑丈な建物に避難すること。
公園

高い木から離れる!東屋(あずまや)も危険です。

橋の上(歩行者の通行部分)も危険。周辺環境によりますが、郊外では周囲に電柱や建物などの高い建造物がないことが多く、人の身長がもっとも高くなります。傘をさしている場合は、さらにリスクが大きくなります。過去に通行中の男性が橋の上で落雷により亡くなったとみられる事故も発生しています。

カミナリはその範囲の中で、高い位置にあるものに落ちます。周囲に自分の身長より高いものがない場所は非常に危険です。

橋を渡ろうとした直前に反対方向の近い距離に稲光が見え、近くのスーパーに逃げ込んだことがあります。ピカッと光りゴロゴロまで僅かな時間で雷雲はかなり近かったと思います。(自転車やバイクも危険です。自動車は落雷を受けても金属部分を伝わり放電するため、窓から手などを出していない限り安全といわれています)

くれぐれもご安全に!

事故が発生したような橋は身近にあり、通勤・通学や買い物等で利用される方も多いと思います。雷が鳴っているときは通行をしばらく待ったほうが良いと思います。雷雲の移動速度は10km/h~40km/hと言われていますが、しばらく停滞することもあるようです。

いつまで待てばいい?どこまでが特に危険?を確実に判断することは難しいですが、ゴロゴロが聞こえ始めると落雷の危険性がある言われています。ピカっと光ってから5秒で音が聞こえた場合は、雷雲までの距離は1.7km程度(※)になります。(音の伝わる速度は約340m/秒)

※雷雲までの高さは季節により異なり、夏は雲の底までが上空1.2km~2km(冬は数百メートル)ということです。光と音の間隔が3秒~6秒であれば、ほぼ真上の場合もありそうです。また雷雲の幅は10km程度が多いそうです。しかし大きく超える場合や複数の雲が断続的に連なることもこともあり、遠くで光ってるから危険が小さいと判断は出来ないようです。

ピカゴロの時間と距離

ピカゴロ間隔が5秒のときは約1.7kmでめちゃ近い

近くに自分の身長より高いものがない(または少ない)場所は、特に危険と判断できそうです。また直撃でなくても近くに落雷すれば、命にかかわることもあります。(たとえば避雷針で保護できるのは高さの約半分で、範囲から外れた場所での事故例もあります)

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(2)近くに避難できる場所がない

田舎の道

2-1.屋外作業・スポーツ・登山・釣りなど

  • 持ち物はすべて地面に降ろします。傘などはさしてはダメです。
  • 姿勢を低くします。しゃがみ込んで靴のかかとを接触させ、つま先で立ちで姿勢を保ちます。(カミナリ座り)
  • 地面に手を着けてはダメです。また寝そべるなど姿勢は禁物です。
  • ゴム製品(靴など)では、雷の高電圧による感電を防ぐことはできません。
  • 避雷針の過信は禁物です。落雷を防ぐ範囲は避雷針の高さの半分といわれています。学校のグランドなどでの事故も発生しています。

登山などで局地的に雨を伴う雷雨の場合、気圧計も目安になります。すべての状況であてはまるか分かりませんが、筆者が使ったときは雷雨の直前には気圧が有意に下がり、予測に役立ちました。(平地でも下がりました)

2-2.子どもの通学路でリスクを確認

登下校でのカミナリ

登下校中のリスクを予見

小中学校の登下校時に「雷注意報」が出されている場合、または雷雨が予想される場合は、時間をずらすなどの安全対策も必要です。特に夏の下校時間は大気が不安定になる日も少なくありません。同様に校外活動においても状況の把握が大切です。「雷注意報」の発表状況は気象庁の雷注意報(該当ぺージ)で確認できます。しかしピンポイントでの予測は難しいということです。

(3)海水浴・川遊び

  • 雷は海にも落ちます。雷鳴が少しでも聞こえたら、ただちに避難。ゴロゴロが聞こえる場合は、すでに半径10キロ以内です。
  • 早く海から上がり屋根のある場所、車の中などに避難します。(砂浜は危険です)
  • 逃げ場がない場合は、すぐに靴を履いて、できるだけ体勢を低くします。

カミナリが海に落ちた場合、雷の電流はすぐに拡散するため威力は激減します。ただし近くに落ちた場合は、感電することで気を失い溺れる危険性があります。ダイビング中で海に潜っている場合は、水中まで高い電圧が届くことは少なく、危険性はほとんどありません。

(4)自転車やバイクを運転中

  • すぐに降りて、建物など安全な場所に避難します。
  • 自転車などを運転中に、落雷事故に遭うケースもあります。

(5)雷は高い場所に落ちる

カミナリは持ち物の材質に関係なく、高い場所に落ちます。このため自分の背丈より高くなるものは持たないことが重要です。

  • ゴルフクラブ
  • 野球のバッド
  • 釣竿

(6)カミナリの前兆と距離

積乱雲に注意(特に急な発達)!

朝から気温が高く晴れた日は、午後に地表温度が高くなるため、強い上昇気流が発生しやすくなります。急な積乱雲の発達がみられた場合は、激しい雷雨や突風、ひょうなどに注意が必要です。

積乱雲 雷雨の危険が高くなります。
積乱雲の発生は前兆の可能性 出典:気象庁

積乱雲は「大気の状態が不安定」な気象条件で発生しやすくなります。
「大気の状態が不安定」とは、上空に冷たい空気があり、地上には温められた空気の層がある状態です。温かい空気は上へと昇り、冷たい空気は下へと降りようとするため対流が起きやすくなります。

地上付近の空気が湿っているときは、さらに大気の状態が不安定となり、積乱雲が発達しやすくなります。(特に前夜・早朝まで雨が降り、午前中から晴れて気温が高い日は、昼過ぎごろから注意が必要です)下記の動画解説(気象庁)がわかりやすいです。

▲積乱雲のでき方「急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう!」(1分17秒)

気象庁のページから引用

ピカッと光ってから、ゴロゴロ音がするまでの時間に関係なく、雷雲の下であれば、落雷の危険性があります。
  • ラジオに「ガリガリ」という雑音が入ると約50km(避難の準備が必要)
  • ゴロゴロと雷の音が聞こえたら半径約10km(危険な範囲)
  • 稲光と雷鳴の間隔が5秒の場合、雷雲までの距離が約1.7km(非常に危険)
  • 「髪の毛の根元が立ってくる」「肌の表面がチクチクする」などは、カミナリがかなり近づいている場合に発生します。(非常に危険)
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家の中での対策
  • 入浴やシャワーは避けましょう。戸建て住宅では、雷の電流が水道管を伝わる場合があります。(高層マンションは避雷針の設置が多い)
  • 建物の奥で待機する。窓際、ベランダなどは避けましょう。
  • 犬や猫は驚いて予想外の行動をとる場合があります。鳥かごなどは窓際から離しましょう。
(1)留守中に注意すること

留守中に落雷や雷サージでパソコンなど電気製品の故障に注意が必要。周辺機器を含めコンセントから電源を抜くほうが安心です。

(2)雷サージに注意

雷サージ対策

雷サージ(誘導雷)はカミナリの影響による突発的な異常電圧(3000V~4000V)や過電流です。落雷しなくても近くでピカゴロしている場合にリスクが高くなります。オフィス機器や家電製品に影響を与え、故障の原因になることがあります。またパソコンなどは急な停電で故障リスクが高くなります。

  • パソコン、家電製品などの電子機器は故障を防ぐため、電源をコンセントから抜く。
  • ルーターなども電源を抜き、光回線が抜けるタイプは回線を切り離し、物理的に接続しないことをおすすめします。
  • スマホの充電も同様にUSB等からの接続を外す。
  • 会社・店舗の事務所などでは、お盆休みなどで休業するとき、パソコンや周辺機器の電源をコンセントから抜いほうが安心です。パソコン本体や接続しているストレージの故障で、大切なデーター消失がもっとも心配です。
(3)停電の影響
  • 観賞魚の水槽などでは、停電により水槽内への酸素供給が停止することもあります。
  • パソコンを使用中(コンセント接続)に停電した場合は、作業中のデーターに影響を与える、HDDの場合は故障リスクが高くなります。接続されてるデバイスも同じです。
  • スリープ状態もリスクが大きくなります。
  • 夏の暑い時期はエアコンなどが利用できず、熱中症のリスクが大きくなります。モバイル電源で利用できるDC扇風機の備えも対策のひとつです。
  • 長時間の停電復旧後は冷蔵庫内の食品について、安全性の確認が必要です。同様に防犯機器、監視カメラなどの動作確認もおすすめします。(大手警備保障などのシステムでは、停電時のバックアップ機能で防ぐことができる場合もあります)
(4)雷サージ対策
  • 雷サージ防止(雷ガード)付きタップは効果的です。これはタップに内臓されている吸収素子(バリスタ)が、大気中や電線から伝わってくる高電圧から機器を保護するもの。しかし自宅近くの電線やアンテナを直撃した落雷は、あまりにも電圧が高すぎるため吸収できずに効果がありません。
  • 長期留守にする場合は、PCや家電製品はできるだけ電源ケーブルをコンセントから抜いたほうが安心です。
  • 雷だけでなく、大雨などの災害時には突然の停電リスクもあります。停電リスクが高い場合は、パソコンはスリープ状態しないほうが安心です。
過去の落雷事故[事例]
  • 2024年9月7日午後4時30分ごろ:栃木県真岡市下籠谷の「井頭公園」で、開催されていた音楽イベント中に落雷や豪雨の影響で中断。中断している間に仮設テントで待機していたスタッフ(18~28歳)の男女9人が足のしびれをなどで、うち6人が病院に搬送されたということです。(全員命に別状はなく、付近での落雷の影響とみられています)
  • 2024年4月3日午後2時40分ごろ:宮崎市の「宮崎産業経営大学」でサッカーの試合中に落雷があり、高校生2人が心肺停止、他にも負傷者が複数発生したということです。
  • 2021年7月11日:滋賀県守山市川田町の「川田大橋」の歩道で、男性(47)が倒れているのが見つかり亡くなったということです。状況などからジョギング中に雷に打たれたとみられています。
  • 2019年5月4日:神奈川県の「鍋割山=なべわりやま」(丹沢山地)で、登山客の男性(45)が落雷で亡くなる事故が発生。(雨宿りしようと木の下に移動した後に、落雷にあったということです)
  • 埼玉県川越市の「県立川越南高校」で落雷事故(2016年)
  • 愛知県扶桑町の高校での落雷死亡事故(2014年)

雨が降っておらず、晴れ間が見えている天候であっても事故が発生しています。

落雷事故の応急処置

落雷を受けた人の体は電気を帯びていませんので、すぐに応急処置を行っても危険性はありません。

  1. 心拍も呼吸も確認できない場合は、ただちに心肺蘇生を行います。
  2. AEDがあれば使用します。
  3. すぐに救急隊を呼びます。
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