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秋の火災予防運動 2020年(令和2年)

全国統一防火標語は
『その火事を 防ぐあなたに 金メダル』
令和2年「秋の全国火災予防運動」の実施期間は、11月9日(月)から15日(日)です。
昨年(2019年)に全国で発生した火災の総件数は3万7538件、死者は1,477人で負傷者は5,814人です。火災の怖さは1度に多くの人が死傷することが少なくなく、近隣へ被害が拡大する場合も多いことです。
[目次]
- 火災予防運動の概要
重点項目、標語など - ポスター/リーフレット
- 11月9日は119番の日
年間約約661万件の救急出動
火災は年間約2万3千500件です。 - 火災の発生状況
発生件数は3万7538件 - 出火原因のワースト10
ワースト1は放火(疑いを含む)で死者は367人
アルコール消毒に注意!
- 命を守る7つのポイント
3つの習慣と4つの対策
危険を見落とさないで!
このページに掲載している数値等は、消防庁HPおよび資料から出典した2次情報です。数値等を再利用される場合は、出典元データーをご使用ください。
秋季全国火災予防運動の概要
- 期間:令和2年11月9日(月)から11月15日(日)までの1週間
- 標語:「その火事を 防ぐあなたに 金メダル」
※2020年度の標語です。令和3年の「春の火災予防運動」まで使われます。
重点項目
- 住宅防火対策の推進
- 乾燥時及び強風時火災発生防止対策の推進
- 放火火災防止対策の推進
- 特定防火対象物等における防火安全対策の徹底
- 製品火災の発生防止に向けた取組の推進
- 多数の者が集合する催しに対する火災予防指導等の徹底
火災予防運動のポスター
消防庁が公開している火災予防、防火対策のリーフレットをまとめています。それぞれPDFで表示・印刷(A4タテ)できます。
職場や店舗、学校、ご家庭に掲示することで、火災予防が期待できると思います。
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「秋の火災予防運動」ポスター | 標語ポスター(PDF) |
リーフレット
防火管理者、民泊などの宿泊施設、店舗の管理者向け
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火災の教訓(PDF) | 火災時の安全な避難誘導 (訪日外国人・障がい者) |
火の用心!
年間の総出火件数は37,538件(2019年)。毎日どこかで103件(平均)の火災が発生しています。防火・消火設備の点検、避難経路の安全確認を。
▼消防車のサイレン(再生ボタンで音が出ます。ご注意ください)

買い物や散歩中に消防車のサイレンを聞くと、まさか私の家ではと心配になるわねー。

お散歩の途中に、お家に戻ったこともあるよね。
サイレン+警鐘「ウ~・カンカンカンカン」は火災出動、「ウ~、ウ~」だけの場合は、火災以外の出動(交通事故などの救急現場で、消防隊員の応援が必要な時など)ということです。
その他リーフレット
各リーフレット(PDF)はページ数が多いため、ダウンロード(表示)に時間がかかる場合があります。
11月9日は「119番の日」
119番するときは
「火事です」または「救急です」をはっきり言う
- 住所は正しく、詳しく言う。(目印となる公園、建物、交差点名を伝える)
- 状況をわかりやすく言う。(〇階建てのビルで〇階が火事。誰(なに)がどうしたかを正確に伝える)
- 通報者の名前、連絡先を正しく伝える
- 通報後はしばらく現場にいる。
今年は「新型コロナ」の影響で、救急搬送時間が長くなっている地域もあるようです。病気やケガに関わらずコロナ感染の有無を確認、受け入れ先病院の確認に時間がかかるなどが要因ということです。また搬送後もストレッチャー等の消毒など、救急隊員の負担も増しているようです。
火災による救急出動は、年間で2万3497件
消防庁の統計(2019年)によると、事故や急病、自然災害などすべての救急出動件数は年間で660万9751件で過去最多になったということです。1日の平均では1万8109件です。このうち火災による出動件数は、年間で2万3497件と発表されています。
火災の発生状況
2019年に全国で発生した火災の状況です。
大雨による水害被害にあわれた建物は、配電盤などの点検(漏電などのチェック)も必要です。
数値の出典:消防庁の資料(PDF)
発生状況
総出火件数は37,538 件
- 建物火災:20,915 件
(うち住宅火災は10,696 件) - 車両火災:3,580 件
- 林野火災:1,395 件
- 船舶火災:69件
- 航空機火災:1件
- その他:11,578 件
死傷者数は7,291人
- 死者数:1,477人
(うち住宅火災は858人。※自殺を除く) - 負傷者数:5,814人
住宅火災(10,696件)のおもな内訳
- 一般住宅:6,996件
- 共同住宅:3,297件
- 併用住宅:403件
住宅以外のおもな建物
- 特殊複合用途:2,020件
- 工場・作業場:1,771件
- 事務所:753件
- 飲食店:532件
店舗の火災は多数の死傷者が発生することも少なくありません。管理者は消火設備および避難経路、非常出口の点検(出口付近に物を置かない、扉を施錠しない)を!
飲食店では排気ダクトの清掃・点検を行いましょう。ダクト内に溜まったほこりなどに、調理中の火が燃え移る火災も発生しています。焼き肉店などは特に注意が必要。
事業所・工場などでは配線(ネズミなどにかじられたり、荷物等で踏まれてないか)、配電盤の点検(漏電チェック)、防火設備の点検が必要です。特に水害被害を受けた建物では、十分な点検を行いましょう。
※漏電状態(電線の絶縁物が切れる、破れるなどで電気が漏れる)では、電気が他の物質と干渉し、火花(スパーク)が発生することで火災の原因になる。
火災の発生が多い月
- 5月:4,336件(11.6%)
- 4月:4,186件(11.2%)
- 1月:3,948件(10.5%)
火災の発生が多い時間帯
- 14時~15時:13.4%
- 10時~11時:13.0%
- 12時~13時:12.9%
火災発生件数(カッコ内は建物火災)
- 東京都:4,119件(2,919)
- 愛知県:2,009件(1,102)
- 大阪府:2,002件(1,403)
- 神奈川県:1,920 件(1,187)
- 北海道:1,888件(1,125)
- 千葉県:1,863件(955)
- 埼玉県:1,858件(1,061)
- 兵庫県:1,504件(818)
- 福岡県:1,345件(740)
- 茨城県:1,247件(574)
人口1万人あたりの出火件数
- 青森県:4.69件
- 長野県:4.31件
- 山梨県:4.31件
- 茨城県:4.25件
- 群馬県:4.06件
- 鳥取県:3.87件
- 栃木県:3.84件
- 鹿児島県:3.84件
- 島根県:3.73件
- 山口県:3.71件
(全国平均は2.95件)
同数の場合は10万人あたりの死者発生率が高い順です。
建物火災の原因はこんろが1位
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全火災の確定原因の1位は「たばこ」ですが、「放火」は疑いを含めるともっとも多く、建物火災では「こんろ」がもっとも多くなっています。火の消し忘れ、油火災にご注意を!わずかな時間でも、忘れると長い時間です。 |
全火災での出火原因ワースト10
- たばこ:3,557件(9.5%)
- たき火: 2,911 件(7.8%)
- こんろ: 2,890件(7.7%)
※建物火災ではもっとも多い - 放火: 2,719件(7.2%)
※建物火災では3番目に多い - 放火の疑い :1,787件(4.8%)
※建物火災では8番目に多い - 火入れ: 1,745件(4.6%)
- 電気機器: 1,606件 (4.3%)
- 電灯電話等の配線: 1,551件(4.1%)
- 配線器具: 1,331 件(3.5%)
- ストーブ:1,133件(3.0%)
※建物火災では4番目に多い。2019年はストーブが出火原因とみられる火災で、111人が亡くなっています。
発生件数は少ないものの、太陽光による収れん火災、住宅用ワックスなどが出火原因になることもあります。
アルコール消毒液やスプレーに注意
コロナ禍が続く中、この冬は使う人も多くなりそうです。
- 消毒用アルコール(エタノール)は気化すると引火しやすい。ジェルタイプも同じです。(消毒用は除菌用に比べ濃度が高い)
- 暖房器具の付近で使わない、置かないことを徹底!
- 調理器具、卓上コンロなどの近くもたいへん危険!
- 衣服やマスクなどを消毒した後は、完全に乾く前にストーブなどに近づけない。
- 可燃性ガスを含むスプレーなども同様です。取扱いにご注意を!
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火災とは関係ないけど・・
アルコールは気化した場合、低い場所に滞留しやすくなります。イヌやネコはアルコールに弱く、たいへん危険です。体内で分解できずエタノール中毒になると、命を落とすこともあります。室内飼いのペットにもご注意を。 |
暖房器具の点検、変質灯油は使わない!
暖房器具を使い始める前の点検もお忘れなく。ストーブの灯油缶やポリタンクに残った前シーズンの灯油(変質灯油)は、不完全燃焼の原因になります。またスイッチを切っても完全に消火できずに燃え続けることがあります。就寝中や留守中の火災にならないように。
灯油などの廃棄は市区町村のHPを参照、またはガソリンスタンドで引き受けてくれます。(有料の場合もあり)側溝などに流すと環境汚染だけでなく、不法投棄(1,000万円以下の罰金刑または5年以下の懲役刑)になります。
エアコンやセラミックファンヒーターなどは、フィルターの掃除も行いましょう。また消費電力が大きいためタコ足配線にも注意が必要です。
放火による死者は367人
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死者が発生した火災の出火原因においても放火(疑いを含む)がもっとも多く、318件発生し367人(全死者数の4人に1人)が亡くなっています。 |
放火が多く発生した月
- 1月:500件(11.1%)
- 2月:479件(10.6%)
- 4月:474件(10.5%)
放火の発生時間帯
- 0時~1時台:421件(9.3%)
- 18時~19時台:418件(9.3%)
- 22時~23時台:374件(8.3%)
※時間帯不明:497件(11.0%)
放火は狭い地域で連続して発生するケースも少なくありません。放火または疑いがある火災が発生した場合は、地域の安心メール等からの情報を活用し、放火を防ぐ対策を共有することが大切です。
- 家の周囲に可燃物を含め物を置かない。
- ゴミ出しは指定日以外に行わない。
- 監視カメラの設置。
- 集合住宅の駐輪場などはセンサーライトの設置。
- 空き巣の防止対策と同様に、狙われない環境づくりが大切です。
現住建造物放火罪(人が住んでいる建物・乗り物などへの放火)は、「死刑または無期、5年以上の懲役」と非常に重い罪です。
命を守る7つのポイント
火災のニュース等では焼死と報道されるケースが多くみられますが、焼死に至る約8割は煙や可燃物が燃えることで発生する有毒ガス(一酸化炭素、塩化水素、シアン化水素など)によって、逃げ遅れることが原因といわれています。
寝たばこでは灰皿にたまった吸殻が燃えるだけで、有毒物質を含む大量の煙が部屋に充満します。煙に気づき目が覚めても体の自由が奪われ、逃げ遅れるケースも少なくありません。
消防庁は住宅用火災報知器の点検(電池切れの確認など)・交換(10年が目安)を呼び掛けています。
3つの習慣
- 寝たばこは絶対やめる。
- ストーブは燃えやすいものから、離れた位置で使用する。
(こたつの中で衣類を乾かさない) - ガスコンロなどのそばを離れるときは、必ず火を消す。
4つの対策
- 逃げ遅れを防ぐために、住宅用火災警報器を設置する。
(10年を目安に交換) - 寝具、衣類及びカーテンからの火災を防ぐために、防炎品を使用する。
- 火災を小さいうちに消すために、住宅用消火器等を設置する。
- お年寄りや身体の不自由な人を守るために、隣近所の協力体制をつくる。
初期消火が大切
爆発事故や放火を除けば、住宅火災(失火)のほとんどは小さな火から。もしもの時は燃え広がる前に、素早く消火が出来る備えが大切。「消火スプレー」や「投てき消火剤」をキッチンやお部屋に備え、被害を最小限に抑えましょう!
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