地震発生確率と震度予測マップ[2017年版]

「防災科学技術研究所」が発表している今後30年以内に、震度6弱以上の地震が予想される地域(予測地図)と発生確率。

防災科学技術研究所、内閣府、文部科学省、気象庁が公表している資料等を元に、地域別の発生確率および近い将来に発生が予想される「南海トラフ地震」などの巨大地震について、概要をまとめています。

追記

  • 2018年2月9日に政府の「地震調査委員会」は、南海トラフ地震(静岡県から九州の太平洋側に延びる南海トラフで発生が予想される、マグニチュード8~9の巨大地震)について、今後30年以内に発生する確率を従来の70%から70~80%引き上げたと発表。
    また10年以内は30%、50年以内は90%程度もしくはそれ以上に引き上げています。

確率予測地図(地震ハザードステーション)によると、北海道根室地方、関東地方、東海から四国では「南海トラフ巨大地震」の発生が予想される太平洋側で、確率が高くなっています。確率分布の指標になっている震度6弱は、人や建物への被害が拡大する目安です。

震度6強 耐震性の低い建物で傾き・倒壊
震度6弱 耐震性の低い木造建物で瓦の落下、建物の傾き
震度5強 歩行が困難。固定していない物が落下、倒れる

全国の地震動予測(震度6弱以上)

※2017年1月1日現在の予測(J-SHIS 地震ハザードステーションから)

出典:防災科学技術研究所(拡大表示)

出典:防災科学技術研究所(拡大表示)

確率が26%以上
確率が6%以上

地図上の赤色が濃い場所ほど確率が高く、薄い色(オレンジ~黄色)は低くなります。

太平洋側地域の確率分布

北海道地方

この地域では、「千島海溝沿いの色丹島沖及び択捉島沖」および「根室沖地震」が予想されています。特に「根室沖地震」は、今後30年以内の発生確率が80%を上回ると予想されています。

根室沖地震

▲北海道根室地方で震度6弱以上の確率分布

  • 根室沖地震の推定地震規模:マグニチュード7.8~8.5
  • 千島海溝沿いの色丹島沖及び択捉島沖地震の推定地震規模:マグニチュード7.5

関東地方

この地域では「茨城県沖のプレート地震」が予想されています。今後30年以内の発生確率は90%程度以上です。(日本で発生確率がもっとも高い地震です)推定地震規模はマグニチュード6.7~7.2とされています。

関東地方の震度6弱以上

▲関東地方で震度6弱以上の確率分布

おもな地点の発生確率(震度6弱以上)

  • 千葉市:85%
  • 水戸市:81%
  • 横浜市:81%
  • さいたま市:55%
  • 東京都新宿区:47%
    (東京都庁付近)
  • 宇都宮市:13%
  • 前橋市:7%

東京都の地震危険度マップ[2018年版]は、こちらから>>

東海地方

この地域では「南海トラフ巨大地震」の発生が予想されています。この地震が発生した場合、名古屋市の市役所付近では、89%の確率で震度6弱の揺れが予想されています。

東海地方の震度6弱以上

▲東海地方で震度6弱以上の確率分布

おもな地点の発生確率(震度6弱以上)

  • 津市:63%
  • 名古屋市:46%
  • 岐阜市:27%

近畿・四国地方

近畿から四国にかけても「南海トラフ地震」が発生した場合、甚大な被害が予想されています。特に太平洋側の高知市(市街地)は海からの距離も近く、海抜が低い場所も多いため津波による深刻な被害が危惧されています。

近畿地方の震度6弱以上

▲近畿地方で震度6弱以上の確率分布

四国地方の震度6弱以上

▲四国地方で震度6弱以上の確率分布

おもな地点の発生確率(震度6弱以上)

  • 奈良市:61%
  • 和歌山市:58%
    (御坊市や太地町など15市町で70%以上)
  • 大阪市:56%
  • 神戸市:45%
  • 京都市:13%
  • 大津市:11%
  • 高知市:74%
    (四国で最も高い)
過去の震度6以上の地震

過去50年で震度6以上の地震発生回数は約50回。特に2000年以降で目立ち始めています。

1970年以降のおもな地震[表示]



南海トラフ巨大地震とは・・

「南海トラフ」は駿河湾から四国沖の海底(水深4000m級)にあるトラフ(深い溝)のことで、長さは約1000km(東日本大震災震源域のおよそ2倍)です。

南海トラフ地震の震源域

▲南海トラフ地震の震源域

マグニチュード8クラスの巨大地震が約100年から200年ごとに発生している場所です。

上記の震源域で発生する地震が「南海トラフ巨大地震」で、プレート型の地震に分類されています。海底が震源域になるため、巨大津波による被害が危惧されています。

震度6弱以上の揺れが発生する地域は、24府県の687の市町村、震度7は名古屋市、静岡市、和歌山市、徳島市、宮崎市など、10県153市町村に及ぶと想定されています。

過去の南海トラフを震源とする地震

  • 1944年(昭和19年):東南海地震(M7.9)|震源は紀伊半島南東沖
  • 1946年(昭和21年):昭和南海地震(M8.0)|震源は上記と同じ

いずれも死者数が1000名を超える甚大な被害となっています。上記の地震から70年以上経っており、近い将来の発生が予想されています。

ちなみに1946年(昭和21年)は終戦の翌年であり、前年の総人口は約7200万人、自動車の保有台数は14万台弱(二輪車を除く)です。平成29年10月末現在では、二輪車を含むすべての車両で約8190万台です。
当時は高速道路や新幹線もなく、もちろん原子力発電所もない時代です。

発生確率

2018年1月1日時点

今後30年以内に発生する確率が70%~80%とされています。
(2018年2月9日に確率の引き上げを発表。2014年の発表は70%でした。)
また10年以内は30%、50年以内では90%程度もしくはそれ以上と発表されています。

地震発生サイクル|発生間隔

2018年現在で前回の地震から72年が経過。(政府の地震調査委員会は、平均発生間隔を88.2年と仮定しています)

  • 90(92)年:東南海地震(1944年)/昭和南海地震(1946年)
  • 147年:安政地震(1854年)
  • 209年:宝永地震(1707年)
  • 137年:明応地震(1498年)

被害想定

※データーは内閣府の資料から出典しています。

地震によって駿河湾から紀伊半島沖を中心に大津波が発生した場合、関東以西(30都府県)で、およそ33万人が死亡し、建物の全壊や焼失は238万棟、避難者の数は地震発生から1週間で最大950万人と予測されてます。(冬季の深夜にマグニチュード9クラスが発生した場合|2012年時点の想定)

震度6以上または3m以上の津波が想定される市町村の人口は、約5900万人と予測されています。また経済被害・損失は国家予算(年間)を上回る100兆円~150兆円規模との試算も出ています。

被害の予測

南海トラフ巨大地震 東日本大震災
被害総額 100兆~150兆円 およそ16兆円
死者・行方不明 およそ33万人(※1) 1万8446人
建物の全壊・焼失 およそ238万棟 約13万棟(※2)
被災地域の人口 約5900万人 約750万人
避難者数 およそ950万人 約47万人(ピーク)

※1想定される死者数は最大で40万人とのデーターもあります
※2半壊を含めると約40万戸。

甚大な被害となった2011年の「東日本大震災」と比べると、被災地域の人口は約7.9倍で被害総額は6倍~10倍、死者数と建物(全壊・焼失)被害はおよそ18倍、避難者数は20倍以上。
政府の中央防災会議では、国難とも言える巨大災害と定義されています。

津波の高さと到達時間(推定)

内閣府の「専門家作業部会」の推定。各地域の沿岸部で最大被害が予想される場所。

  • 大分県:15m(18分)
  • 宮崎県:17m(16分)
  • 高知県:34m(3分)
  • 徳島県:24m(6分)
  • 和歌山県:20m(2分)
  • 三重県:27m(4分)
  • 愛知県:22m(9分)
  • 大阪府:5m(59分)
  • 神奈川県:10m(26分)
  • 東京都:3m(185分)

「東日本大震災」での津波の最大遡上高(※)は43.3m(宮城県女川町沖の無人島)で、波高の最大は21.1m(福島県富岡町)、福島第一原発を襲った津波は14m~15mとされています。
※津波が陸に駆け上がった際の最大到達高度

大きな影響を受ける原子力発電所は、浜岡(静岡※全面停止中)、伊方(愛媛)です。また電力供給の84.6%(※)を占める火力(LNG、重油、石炭)においても発電所の多くは沿岸部にあります。(各電力会社とも対策を進めています)「東日本大震災」の直後では東京電力管内で8箇所、東北電力管内では6箇所の火力発電所が停止しています。多くは2ヶ月以内に復旧しています。(もっとも遅かったのは仙台火力発電所で12月20日)
※出典:経済産業省エネルギー庁「エネルギー白書2017」
原子力発電所の安全性がクローズアップされていますが、電力供給の8割以上を占める火力発電所が被災し電力不足が発生すれば、通信や交通など生活を支えるインフラ全体に深刻な影響が危惧されます。

その他の予想される大きな地震

茨城県沖のプレート地震

今後30年以内の発生確率のうち、もっとも確率が高い地震です。

  • 今後30年の確率:90%程度以上
  • 推定地震規模:マグニチュード6.7~7.2

三陸沖北部プレート地震

  • 今後30年以内の発生確率:90%程度
  • 推定地震規模:マグニチュード7.1~7.6

北海道沖の千島海溝沿いの根室沖地震

  • 今後30年以内の発生確率:80%程度
    ※40年では90%程度、50年では90%程度以上
  • 推定地震規模:マグニチュード7.8~8.5

北海道の千島海溝沿いの色丹島沖及び択捉島沖地震

  • 今後30年以内の発生確率:90%程度
  • 推定地震規模:マグニチュード7.5

マグニチュードと震度

マグニチュード(M)は地震のエネルギーを表す数値で、M8以上で巨大地震、M9以上(東日本大震災が該当)が超巨大地震とされています。
(M9~超巨大地震 > M8~巨大地震 > M7~大地震)

震度(1~7)は揺れの強さで計測震度計の数値です。マグニチュードが大きくなれば、震度の大きい地域も広くなりますが、地盤の固さなどによって揺れの大きな場所、小さい場所が変わってきます。(東日本大震災はM9で最大震度は7でした。)
※2016年の熊本地震では、M7.3の規模でしたが震度7が2回記録されています。
(震度5弱以上で多くの人が恐怖を感じるレベルといわれています。)

「全国地震動予測地図」で指標となった震度6弱では・・

※昭和56年(1981年)5月以前に建てられた木造住宅では、当時の耐震基準から地震による倒壊リスクが高いと指摘されています。無料の耐震診断、耐震工事の補助金を実施している自治体もあります。

震度6弱

震度6弱(出典:気象庁)

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