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川で溺れる7つの理由(水難事故の原因)

穏やかに見える川も危険が隠れています! 上流での雷雨など気象状況の変化によって、短時間で水量や流れが変わることもあります。
大雨の影響が出ている地域では、川の増水による事故にご注意を。
[目次]
- 川が海より危険な理由
隠れた7つの危険 - 川の事故で目立つ原因
死亡事故の原因など - 事故は瞬間的に発生!
ライフジャケットの着用は必須。
川で溺れると78%は助からない? - 悲しい事故を防ぐために
場所や行為別の事故防止
事故防止・救命チラシ
最近の事故(地域別)
このページに掲載している数値は警察庁の「水難事故統計」から出典(利用規約に準拠)した2次情報です。数値を再利用される場合は、出典元データーをご使用ください。
川に隠れた危険に気づき
溺れる行為はしない!
2021年に川で発生した事故による死者・行方不明者は253人で全体の約3割(34.0%)で、中学生以下の子どもに限ると約6割(58.1%)です。毎年6月~9月は特に事故が目立ちます。溺れたり流されないために危険やリスクを知り、悲しい事故をゼロに!
川が海より危険な7つの理由
1.人は浮きにくい
川の水は真水に近く、流れや渦によって空気を多く含んでいる場合が多いため、浮きにくくなります。また水温が低い場合は、体の自由な動きが難しくなります。(海水は塩分濃度、水温により異なりますが、水より比重が大きく人は浮きやすい)
2.流れによる水圧で泳ぎにくい
流れが速いと水圧(動水圧)により、自由な動きが困難になります。
3.川底の状態も複雑
上流域の川底には大きな石なども多く、手足が挟まれることもあります。また泥やコケ、ゴミなどの堆積物によって、ケガをしたり足をすくわれることも少なくありません。
また大きな岩場が多い川では、激しい川の流れにより川底などが削り取られ、急に深くなる場所があります。大雨のあとは特に注意が必要。
4.急な増水や流れの変化が起きやすい
川は1日の中でも天候になどによって、流れや水量が短時間で変化します。上流で降った雨で急に増水する場合は気づきにくく、場所によってはダムの放水もあります。
中洲でのバーベキューなどでは、増水に気づかず重大事故につながる危険があります。
下記の状況が発生したら、すぐに安全な場所に避難する。ラジオでの気象情報の確認も大切です。 山間部などでは、携帯電話の使用が困難な場合もあります。
こんな状況に注意!
- カミナリが鳴ったら。(急な雷雨による増水の危険性が高まる。)
- 上流からゴミや流木が流れてきた場合。(上流で増水の兆候)
- 水が急に濁ってきたら。
- ダムの放水サイレンが鳴ったら
5.流れが速く渦などが発生する場所が多い
- 橋脚の周辺(橋などの下)
- 川岸や堤防にあるコンクリートブロック、消波ブロックの周囲。
- 取水口(田畑に水を取り入れる場所)
- 堰堤(えんてい)=流れを緩やかにしたり、砂防目的の小さな堤防の周囲。
上記以外でも急に深くなる場所、川底の石や障害物など、見かけで危険性の判断が難しいため事故が起きやすい。

▲不規則に発生した渦。このような流れに巻き込まれると、ライフジャケットを着用していても溺れる危険性が大きくなります。
ホワイトウォーター
川底の地形や岩などによって空気を多く含んだ水が泡立つ状態。ライフジャケットを着ていても十分な浮力を得られない。
6.事故に気づきにくい
溺れていることを、助けを呼ぶ声や手足をバタつかせる動きや音で気づくとは限りません。
水を飲んだ時などは声がしなくなった、動きが止まったなどのほうが多く、事故に気づくことが遅れる場合も少なくありません。特に子どもからは絶対に目を離さないこと。
また海水浴場と違いライフセーバーによる監視を行っている場所は、ほとんどありません。
7.救助が難しい
流された場合は見失ってしまうことも多いため救助が困難です。また捜索するためには、ボートや救命用具が必要です。(川では付近に準備されていることは少ない。)
海水浴場などであれば、監視員等がいる場合も多いため事故時の対応も行いやすい。川では多くの条件で海より救助が困難です。また山間部であれば、救急車の到着、病院への搬送に時間がかかる場合もあります。

子どもだけで遊泳は大変危険です。(写真はイメージ画像)
川の事故で目立つ原因
- 川岸から対岸まで泳いで渡る途中で流され、溺れてしまう事故。特に若い人の事故が目立ちます。体力を過信せずに、気づかない危険が潜んでいることを忘れないようにしましょう。
- 大雨などによる増水。「前日までの雨で普段より水位が高く・・」といった報道が多くみられます。レジャー当日だけでなく、お出かけ前までの気象情報にも注意する必要があります。(魚釣りでの事故原因に多くみられます)
- 浮き輪などの遊具、サンダルなどが流され取りに行く途中で溺れる事故。子どもに多い事故です。(遊具などが流されても取りに行かないように指導。年少の子どもは自分の持ち物に執着する傾向があります。「流されてもまた買ってあげる」よりも、事前に予備を購入して見せておくほうが効果的です)
- 川底の岩などに足を挟まれることで溺れる事故。(子どもに多い)
- 河川敷でのバーベキューなどで、お酒を飲んだあとに川に入って溺れる事故。
- 水上バイクの事故では、バナナボートなどを引っ張っている時の事故が目立ちます。
- 子どもの事故では、バーベキューなどで訪れた際、大人が気づかないうちに川に入って流される事故も目立ちます。特に多人数の参加では、監視の目が届きにくいため、事前に子どもの命を守るために厳しい指導が必要です。できれば拡声器や救助用の浮き輪なども準備するようにしましょう。
台風や大雨の影響を受けた地域では、川の増水だけでなく河川敷の状態が悪くなっていることもあります。目的までの往路や帰路では、道路の陥没や落石になどにも注意が必要です。またヘビやスズメバチなど危険生物にも注意が必要です。
仲間とのレジャーでは、油断が生まれる
川の事故に限らないですが、仲間や友達と一緒の場合(特に若者や子ども)は、同時に2人以上が溺れる事故が目立つようです。海では遊泳禁止の場所で泳ぐ、川では橋の上からの飛び込みなど、危ないと感じていても集団心理や冒険心が強くなり、危険に対する心理的な抵抗が失われるのかもしれません。1人でも100人一緒でも水難リスクは同じで、自然に対して少しでも油断すれば、命を落とすことを考えたいですね。
事故は瞬間的に発生します
川は短時間のうちに水量や流れが変わることも少なくありません。一部では「溺れたら、溺れそうになったら、浮いて待て」などといわれているようですが、波や流れが穏やかでライフジャケットを着用している場合などに限られます。
水遊び中や遊泳中に水を飲んでしまったり、鼻から吸い込んでしまうだけでも呼吸困難になります。(学校のプール等で経験した人も少なくないと思います)上流からの冷たい水、恐怖を感じるほどの速い流れや渦に遭遇した場合などは、パニック状態になり冷静な行動は困難です。
突然に溺れます!
「今から溺れますから、浮いて待ちましょう・・」はありません。事故は突然に予期できなかった状況で起きます。
そもそも溺れるとは・・
- 水を飲んだりして呼吸困難になる(個人差はあるものの呼吸停止が5分を超えると臓器や脳が損傷し、10分程度で脳死状態になるということです)
- 深みにはまったり、手足を岩などに挟まれ身動きがとれない。
- 冷たい水で運動機能が失われる。
- 自分の泳力を超えた流れや渦に巻き込まれる。
「河川財団」の調査によると、川での事故(2003年~2019年)では、水難者の約78%が死亡・行方不明ということです。川で溺れた場合は命を失うリスクが大きいと言えます。溺れたらどうする?よりも、溺れるかも知れない!を想像し、危険な行為、場所や状況などの情報を共有して溺れないようにすることが大切です。
事故の報道等で耳にすることが多い「心肺停止」
溺れて心肺停止になると5分経過で救命率は20%以下に。しかし事故直後の救命処置によっては約2倍に改善。溺水者の救命率について、医師から寄稿いただきました>>
ライフジャケットは必須です!
川遊び、渓流釣りなどのレジャーでは、命を守るシートベルトと同じくらい「ライフジャケット」は重要です。ライフジャケットの着用で溺れることを防ぎ、もしもの時は救助されるまでの時間を作ることができます。
小さな子どもでは大人のひざ下(数十センチ)ほどの水深でも、死亡事故が起きています。体重が軽く体脂肪も少ない子供は、大人が考えるより水流の変化、川底の障害物に影響を受けやすくなります。{浅瀬で遊ぶ⇒川底の石などで転ぶ・すべる(横になった状態)⇒からだ全体に水流を受け流される}水深に関係なく着用することが必要です。
大人は子どもより下流側!
ライフジャケットはもしもの時に救出されやすくなりますが、反対に流れや強い風の影響を受けやすくなります。子どもと遊ぶ場合は、大人は常に子どもより下流側で、かつ手の届く範囲にいることがポイントです。
ライフジャケット着用で流された場合
- 姿勢は仰向けで足は下流方向に向け、つま先は上に向ける。
- 川底に足がつきそうでも立とうとしてはダメ。岩などに足がひっかかる危険があります。

海や川での「水難事故防止」アイテム
もしもの時に命を守るアイテム(レビュー評価の高い商品を中心)を掲載しています。「楽天」および「amazon」でご購入できます。
子どもからは絶対に目を離さない!
スグに救助できる場所から見守りましょう。スマホに夢中になったり、河原でお酒を飲んでるようではダメです。また川底に足をとられ、水を飲んでしまった場合は声を出して助けを呼ぶことは困難です。「子どもの事故は静かに溺れる」とも言われます。
「ちょっと目を離した間に・・」といった後悔にならないように。
自然に対する怖さを感じる経験が少なく、危険をイメージすることが難しい子供の事故は、大人の責任です。
子どもの事故防止(保護者向け)
小型GPS端末「ソラノメ」
[月々490円・縛りなし]
▲soranome(ソラノメ)はGPSを使用した子ども用の小型携帯端末。月額費用わずか490円。夏休み中など子どもの安全(見守りに役立ちます)に役立ちます。
水難事故の対策
水難事故は加害者のいない事故。交通事故などと違い、ご自分と周囲の人が危険に気づくことで防ぐことが出来そうです。

川遊びや魚釣りをしている家族やお友達に、画像を送ってあげるといいかも。今いる川は急流渦(か)も知れないよ。

水に関する漢字に使われる部首”さんずい”に、弱が2つ並んで「溺」れるだね。人間は水に弱いもんね。最近の川には怖いカッパはいないかもだけど、見えない危険がいっぱいあるし。この漢字は見た目も危ない感じするし、中学で習うようだけど覚えておくといいかもね。
川のでの安全対策には、(公社)河川財団が公開している「水辺の安全ハンドブック(PDF|外部リンク)」が役立ちます。
水難事故防止チラシ
New 若者向けチラシの内容を更新しました(2022年7月31日)
水難事故防止簡易チラシです。いずれもPDFで表示・印刷(A4サイズ|タテ)できます。子ども向けは小学校4年生~6年生が対象です。若者向けチラシには、もしもの時に役立つ「救助方法=海上保安庁等」、「心肺蘇生法=日本医師会」のページQRコードを掲載しています。本文中の人数などは「水難事故統計=2021年」からの出典です。
地域別の事故状況
期間:2022年夏季(6月~)北海道・東北・関東・甲信
東海・北陸
近畿・中国・四国
九州・沖縄