今年の夏は暑い?2023年の気温予想

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今年の夏は暑い?

気象庁は5月29日(月)に九州北部(山口県を含む)、四国、中国、近畿、東海の梅雨入りを発表しています。平年に比べ1週間程度早く、5月に近畿・東海が梅雨入りするのは10年ぶりということです。

[目次]

このページに掲載している数値・画像等は、気象庁から出典。数値を再利用される場合は出典元データーをご使用ください。またグラフ・表は数値を元に当サイトで作成したものです。

夏の気温と降水量
(6月~8月の期間予想)

5月23日発表分

「3か月予報」による6月~8月の気温予想(見通し)では、これまでの「暖候期予報」に比べ北海道と東北は、平年より高い確率(40%)に変更はないものの、平年並の確率は40%から30%に下がり、平年より低い確率は20%から30%に上がっています。

沖縄・奄美は平年より高い確率が40%から50%に上がっています。その他の地域は「暖候期予報」と同じで、平年並と平年より高い確率がいずれも40%の予想です。

夏の気温予想(2023年)
各地域の数字は左から低い・平年並・高い確率(%)です。
この夏は「エルニーニョ=日本では夏の気温が低くなる傾向」の発生も予想されていますが、今年2月まで長期間続いた「ラニーニャ」の影響が残るため、気温は高めの予想ということです。

確率
低い %
平年並 %
高い %
北日本
30
30
40
東日本
20
40
40
西日本
20
40
40
沖縄奄美
30
30
40
6月から8月の降水量の予想[表示]

降水量

  • 日:日本海側
  • 太:太平洋側
確率
少ない %
平年並 %
多い %
北日本(日)
30
30
40
北日本(太)
30
30
40
東日本(日)
30
30
40
東日本(太)
30
30
40
西日本(日)
30
30
40
西日本(太)
30
30
40
沖縄奄美
30
40
30

夏の気温(過去10年)

2013年~2022年の6月~8月(期間の気温平年差)

平年差(℃)
高い +0.1 ~ +0.5 +0.6 ~ +1.0 +1.1以上
低い -0.1 ~ -0.5 -0.6 ~ -1.0 -1.1以下
2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022
北日本 +0.7 +0.8 +0.2 +0.4 +0.2 +0.2 +0.4 +0.8 +1.4 +0.9
東日本 +0.7 +0.1 -0.1 +0.2 +0.2 +1.3 +0.1 +0.7 +0.4 +0.9
西日本 +0.9 -0.6 -0.8 +0.5 +0.4 +0.9 -0.2 +0.4 +0.1 +0.9
沖縄・奄美 +0.4 +0.1 +0.4 +0.8 +0.5 +0.2 0.0 +0.6 0.0 +0.6
エルニーニョ
ラニーニャ
// EL LA // // // LA

EL:エルニーニョ/LA:ラニーニャが夏の期間に発生した年(2020年のラニーニャは一度終息し2021年~2022年は継続)。

近年の猛暑(東・西日本)は「チベット高気圧」が日本上空まで大きく張り出し、「太平洋高気圧」と二層に重さなる状態が続く”ダブル高気圧”が原因という発表が多いです。

豪雨災害が目立つけど降水量はどうなの?[表示]
  • 期間は2013年~2022年
  • 6月~8月の期間降水量
  • 平年を100とした場合の比率(%)

降水量(10年間)

期間の降水量では、平年比150%を超える突出した年は少ないものの、短期間に過去の降水量記録を超えるような豪雨が増えています。

50年に1度など聞くこと多いわね。

短期間に1か月分の雨量とかも。

甚大な被害が発生したおもな災害(6月~10月)

  • 2021年7月:静岡県熱海市の土砂災害(伊豆山豪雨)
  • 2020年7月:令和2年7月豪雨(熊本豪雨)
  • 2019年10月:台風19号
  • 2018年7月~8月:西日本豪雨(死者224人で2000年以降では最大の被害)
  • 2017年7月:九州北部豪雨
  • 2015年9月:関東・東北豪雨(鬼怒川の氾濫など)
  • 2014年8月:京都・福知山市の豪雨
  • 2014年8月:広島土砂災害(近年の報道で耳にすることが多くなった「線状降水帯= 狭いエリアに次々と発生する発達した雨雲による豪雨」が注目され始めた災害)

2014年~2021年に発生した大規模な災害(上記以外を含む)だけみても、全国で700人近くが亡くなったり行方不明になっています。

最近の夏は猛暑が常態化
してる感じだね。

毎年のように豪雨災害も
発生してるし。。

  • 「エルニーニョ/ラニーニャ監視速報=2023年5月12日」によると、夏までの間に「エルニーニョ現象」が発生する確率が80%ということです。
  • 過去10年で夏の期間に「エルニーニョ」が継続したのは2014年と2015年です。

地域別(月別の気温平年差)

2013年~2022年の6月~9月。夏の区分は6月~8月ですが9月も掲載しています。

北日本東日本西日本沖縄・奄美
北日本の気温平年差

北日本の夏の気温

東日本の気温平年差

東日本の夏の気温

  • 2022年6月下旬の気温平年差は+4.0℃で、統計開始(1946年)以降でもっとも高くなっています。
  • 2022年6月25日から7月3日まで、東京で最高気温が35.0℃を超える「猛暑日」が9日連続するなど異例の暑さになりました。(7月1日に37.0℃を記録)
西日本の気温平年差

西日本の夏の気温

  • 2022年6月下旬の気温平年差は+3.2℃で、統計開始(1946年)以降でもっとも高くなっています。
  • 2022年は6月~9月まで平年の気温を大きく超えています。近年は9月以降も厳しい残暑が長く続く傾向です。
沖縄・奄美の気温平年差

沖縄・奄美本の夏の気温

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平年差の基準(平年)は何℃なの?[表示]

気象庁の解説(出典)によると、地域平均の値は平年差(比)の値のみで、絶対値はありません。これは地域内の観測地点によって気温が違うためで、その一帯の地域平均から平年差を出しているということです。

観測地点ごとに平年値(℃)は発表されています。北海道(3か所)と都府県庁所在地の平年値(各月の上旬・中旬・下旬の最高と最低気温)をまとまています。

おもな都市の実際の気温変化[表示]

夏の気温は30年で大きく上昇しています。

2018年~2022年と1991年~1995年の各5年間で、各月の平均気温を比較してみました。地域平年差(※)では、近年の基準で気温が高いまたは低いしか判断できないため、実際の気温で比較することで実感に近くなると思います。

※平年基準は10年ごとに更新されます。(2021年に更新され、現在は1991年~2020年の観測データが使用されている)夏の気温は上昇傾向にあり、10年単位では平年の気温も高くなっています。

  • 6月~9月(5年間)の気温日平均(℃)
  • 数値は気象庁の過去の気象データーから、各月5年間の平均気温を当サイトで出して比較したもので、気象庁が発表したものではありません。
  • お使いのデバイスにより横スクロールします。
  • 太文字は気温差+1.1℃以上です。
都市 比較期間
(5年間)
6月 7月 8月 9月
札幌 2018-2022 17.6 22.3 22.5 19.4
1991-1995 16.6 20.7 21.7 17.9
気温差 +1.0 +1.6 +0.8 +1.5
東京 2018-2022 22.6 26.0 28.1 23.8
1991-1995 21.7 25.9 27.1 23.7
気温差 +0.9 +0.1 +1.0 +0.1
名古屋 2018-2022 23.8 27.1 29.0 25.2
1991-1995 22.3 26.4 27.8 23.7
気温差 +1.5 +0.7 +1.2 +1.5
大阪 2018-2022 24.1 27.7 29.4 25.5
1991-1995 23.2 27.6 28.7 24.7
気温差 +0.9 +0.1 +0.7 +0.8
広島 2018-2022 23.7 27.3 29.0 25.2
1991-1995 22.6 27.2 28.1 24.2
気温差 +1.1 +0.1 +0.9 +1.0
福岡 2018-2022 24.2 27.7 29.1 25.4
1991-1995 22.3 27.2 27.4 23.9
気温差 +1.9 +0.5 +1.7 +1.5
目安として5年間の平均で比較しています。毎年上昇しているわけではありませんが、気象庁の統計をみると2010年以降の気温は平年を大きく超える年が目立っています。

名古屋はどえりゃー暑く
なったでいかんわー。

福岡の夏もばり暑いけん。

猛暑日の日数昨年までに最高気温が35℃を超えた日数。近年の増加状況は深刻です。

1か月予報(6月23日まで)

気温予想

5月25日発表分

5月27日(土)から1週間の気温は、北日本と東日本で高い確率が50%、西日本で高い確率が60%、沖縄・奄美で平年並の確率が50%と予想されています。前回(5月18日)の予想と比べ、全国的に平年より高い確率が上がっています。

各地域の数字は左から低い・平年並・高い確率(%)です。

2023年5月27日~6月2日の気温

5月27日~6月2日の気温

2023年6月3日~6月9日の気温

6月3日~6月9日の気温

2023年6月10日~6月23日の気温

6月10日~6月23日の気温

5月の気温平年差(今年と昨年の比較)

地域 期間 2023年 2022年
北日本 上旬 +0.7 +0.5
中旬 +1.3 +2.0
下旬 // +1.1
東日本 上旬 +0.3 -1.0
中旬 +0.8 +0.3
下旬 // +1.1
西日本 上旬 -0.4 -0.6
中旬 +0.4 -0.2
下旬 // +1.1
沖縄
奄美
上旬 ±0.0 -0.7
中旬 -0.7 -1.3
下旬 // -0.3
4月の気温は北日本で歴代1位の記録[表示]

4月の気温平年差も全国的に平年を上回っています。特に北日本は観測開始(1946年)以降で、1983年と並び1位の記録です。(平年差は気象庁の地域平均気象データーから出典)

  • 北日本:+2.1℃(1位タイ)
  • 東日本:+1.6℃(4位)
  • 西日本:+1.1℃(8位)
  • 沖縄・奄美・+0.7℃

3か月予報(8月まで)

気温予想

5月23日発表分

前回(4月25日)の予想に比べ、6月の気温は全国的に平年より高い確率が下がっています。

各地域の数字は左から低い・平年並・高い確率(%)です。
※「3か月予報」は見通しのため、予報精度は「1か月予報」が高くなります。

2023年6月の気温予想

6月の気温予想

2023年7月の気温予想

7月の気温予想

2023年8月の気温予想

8月の気温予想

気温の推移

  • 2023年1月~6月の気温平年差
    2023年1月~6月の気温

スワイプ その他の期間をスライド表示(スワイプ)
(パソコンはオンマウスで矢印表示)

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5月下旬と6月上旬の平年値

全国約100地点について、最高気温と最低気温の平年値(旬ごとの平均気温)を掲載しています。地域名をクリックまたはタップで表示します。

北海道

リンクのある都市は、他の月の平年値(気温と降水量)を掲載しています。

都市 5月下旬 6月上旬
最高 最低 最高 最低
稚内 14.2 7.9 15.1 9.2
旭川 21.1 8.2 21.8 10.3
富良野 20.8 8.3 21.8 9.8
北見 19.8 7.1 20.7 8.8
釧路 13.6 6.8 14.5 8.2
帯広 19.6 7.9 20.4 9.2
留萌 17.3 9.1 18.0 10.7
札幌 19.8 10.7 20.8 12.0
函館 18.6 9.6 19.4 11.1
東北

リンクのある都市は、他の月の平年値(気温と降水量)を掲載しています。

都市 5月下旬 6月上旬
最高 最低 最高 最低
青森 20.3 11.0 21.2 12.5
八戸 19.9 10.8 20.3 11.8
秋田 21.5 12.7 23.7 16.1
大館 22.7 10.6 24.1 12.2
盛岡 22.1 10.9 23.4 12.5
大船渡 20.3 11.5 21.1 12.8
仙台 21.6 13.3 22.3 14.7
気仙沼 20.3 10.8 21.1 12.2
山形 24.3 12.5 25.4 14.0
酒田 22.0 13.3 23.3 15.0
福島 24.8 13.8 25.4 15.0
郡山 23.3 13.0 24.2 14.2
若松 24.3 12.4 25.5 14.0
小名浜 20.7 13.6 21.5 15.0
関東・甲信
  • 東京の観測地点は千代田区
  • 上越の観測地点は高田
  • つくばの観測地点は館野
  • リンクのある都市は、他の月の平年値(気温と降水量)を掲載しています。
都市 5月下旬 6月上旬
最高 最低 最高 最低
新潟 23.0 14.4 24.1 16.3
上越 24.1 13.3 25.1 14.8
村上 23.3 12.4 24.5 14.0
宇都宮 24.7 14.7 25.3 15.8
奥日光 16.5 7.0 17.0 8.3
前橋 25.6 15.2 26.3 16.5
草津 18.2 8.0 18.7 9.1
水戸 23.3 14.1 23.6 15.3
日立 21.3 14.1 21.9 15.1
つくば 24.0 13.9 24.4 15.1
さいたま 25.2 15.4 25.8 16.8
熊谷 26.0 15.4 26.6 16.7
秩父 25.0 13.2 25.6 14.6
千葉 24.3 16.7 24.9 17.8
銚子 21.7 15.9 22.1 16.8
館山 23.9 15.6 24.7 16.7
東京 24.9 15.9 25.3 17.2
八王子 24.8 14.5 25.3 15.7
横浜 24.3 16.7 24.8 16.4
小田原 23.8 15.1 24.4 16.4
甲府 26.4 15.0 27.2 16.5
長野 24.4 12.6 25.4 14.2
軽井沢 20.3 7.9 20.7 9.4
松本 24.7 11.9 25.7 13.4
飯田 24.9 12.5 25.9 14.1
東海・北陸

リンクのある都市は、他の月の平年値(気温と降水量)を掲載しています。

都市 5月下旬 6月上旬
最高 最低 最高 最低
静岡 24.4 16.3 25.0 17.6
熱海 23.7 16.5 24.2 17.4
御前崎 22.9 16.7 23.7 17.9
浜松 24.8 16.5 25.8 17.8
名古屋 26.0 16.3 26.8 17.8
豊橋 24.3 16.5 24.8 17.6
豊田 26.0 14.1 26.9 15.8
南知多 24.5 15.2 25.1 16.6
岐阜 26.2 16.1 27.1 17.7
高山 24.3 10.9 25.5 12.9
中津川 25.9 13.2 26.3 14.8
24.5 16.8 25.1 18.2
四日市 24.5 14.5 25.2 16.1
尾鷲 24.1 15.6 24.5 16.8
富山 24.1 14.5 25.0 16.1
金沢 23.5 15.2 24.5 16.9
輪島 22.4 12.9 23.2 14.4
福井 24.6 15.0 25.6 16.6
敦賀 23.8 15.5 24.9 17.2
近畿

リンクのある都市は、他の月の平年値(気温と降水量)を掲載しています。

都市 5月下旬 6月上旬
最高 最低 最高 最低
大津 25.1 14.9 26.0 16.4
米原 23.5 13.5 24.7 15.1
京都 26.5 16.0 27.3 17.5
舞鶴 24.9 14.1 25.8 15.8
奈良 25.8 14.4 26.7 16.0
和歌山 25.4 16.9 26.2 18.4
大阪 26.2 17.4 27.2 18.8
枚方 26.4 15.9 27.4 17.5
神戸 24.9 17.9 26.1 19.2
豊岡 25.6 14.0 26.6 15.7
姫路 24.9 14.8 26.1 16.6
中国・四国

リンクのある都市は、他の月の平年値(気温と降水量)を掲載しています。

都市 5月下旬 6月上旬
最高 最低 最高 最低
岡山 26.1 16.1 26.8 17.0
津山 25.3 13.2 26.2 14.9
広島 25.5 16.4 26.6 18.1
庄原 24.6 11.2 25.8 13.2
鳥取 25.1 14.3 26.1 16.0
松江 24.4 14.8 25.5 16.4
浜田 23.3 14.7 24.3 16.3
山口 26.0 14.7 27.3 16.6
23.9 15.1 24.7 17.0
高松 26.0 16.5 26.7 18.1
徳島 25.3 16.8 25.9 18.3
松山 25.2 16.2 26.2 17.9
宇和島 25.2 16.0 25.9 17.7
高知 25.8 16.6 26.3 18.0
室戸岬 22.5 17.5 23.0 18.5
九州・沖縄

リンクのある都市は、他の月の平年値(気温・降水量)を掲載しています。

都市 5月下旬 6月上旬
最高 最低 最高 最低
福岡 25.5 17.4 26.4 18.9
八幡 25.2 16.1 26.3 17.8
佐賀 26.9 16.4 28.0 18.3
長崎 24.9 17.2 26.0 18.8
熊本 27.1 16.9 28.0 18.6
人吉 26.5 14.8 27.0 16.7
大分 25.0 16.1 25.7 17.7
宮崎 25.4 17.2 25.5 18.4
鹿児島 26.3 18.4 26.7 19.7
那覇 27.5 22.8 28.6 23.9
石垣島 29.2 24.6 30.1 25.6

エルニーニョ/ラニーニャ現象

5月12日発表分

エルニーニョ/ラニーニャ監視速報によると4月は平常の状態ということです。夏までの間に「エルニーニョ」が発生する確率は80%で、前回(4月10日)の予想より20%高くなっています。
エルニーニョ/ラニーニャ

「エルニーニョ」は監視海域の海面水温の5か月移動平均値が6か月以上続けて、+0.5℃以上になった場合。下記グラフの黄色のボックスが今後の海面水温予測(70%の確率範囲)

エルニーニョの海面水温

5月12日発表の予測(気象庁

「エルニーニョ」が発生した場合、観測史上最大級(世界の気象への影響が大きい)になる可能性があるということです。しかし日本においては、全国的に気温は平年並か高く、降水量は平年並になる予想(3か月予報)が出されています。これは2021年秋から今年2月まで夏の気温が高くなる「ラニーニャ」が長期間続き、その影響が残る可能性が高いためということです。ラニーニャが終息した年の夏に「エルニーニョ」が発生した場合は、40年ぶりということです。

夏に「エルニーニョ」が発生した場合

7月を中心とした6月~8月に継続した場合。気象庁の解説、数値は過去の地域平均気象データーから出典しています。

(1)日本への影響は?(冷夏の年も多い)

  • 平均気温 :西日本で低い傾向。北日本で並か低い傾向。
  • 降水量 :西日本(日本海側)で多い傾向。

過去10年の夏では2014年と2015年に「エルニーニョ」が継続しており、西日本の気温平年差は2014年が-0.5℃、2015年は-0.8℃です。大規模な災害は2014年8月に京都・福知山市の豪雨、広島市の土砂災害、2015年は9月に入ってからですが関東(鬼怒川の氾濫など)・東北豪雨が発生しています。2016年以降の夏は「エルニーニョ」が発生しておらず、昨年までの気温は2019年に西日本で平年をやや下回った以外、沖縄をのぞき平年を上回る暑さになっています。

近年は「エルニーニョ」の発生に関わらず豪雨災害が目立っており、災害への備えがより重要になるかもしれません。
90年代以降の冷夏[表示]

気象庁の「冷夏」基準は6月~8月の気温平年差が下記の通りです。

  • 北日本 -0.5℃以下
  • 東日本 -0.3℃以下
  • 西日本 -0.2℃以下
  • 沖縄・奄美 -0.2℃以下

表では沖縄・奄美はのぞいています。エルニーニョ以外の影響も含みます。

地域 平年差 エルニーニョが
夏に継続
1991年 東日本 -0.3℃ 継続
1992年 北日本 -1.7℃ 継続
東日本 -1.0℃
西日本 -1.2℃
1993年
記録的
冷夏(※)
北日本 -2.3℃ 記録的な冷夏の大きな原因は
1991年6月に
噴火した
フィリピンの「ピナツボ山」の

噴煙が気象に影響した
とされています。
東日本 -2.2℃
西日本 -1.7℃
1995年 東日本 -0.3℃ //
西日本 -0.3℃
1996年 北日本 -1.0℃ //
東日本 -0.5℃
1997年 東日本 -0.3℃ 継続
西日本 -0.3℃
1998年 北日本 -1.1℃ 春に終息したものの、前年からの
エルニーニョは過去最大級
ということです。
世界的には高温傾向で
豪雨災害が多発
東日本 -0.4℃
2001年 北日本 -0.5℃ //
2002年 北日本 -0.9℃ 継続
2003年 北日本 -1.7℃ 継続
東日本 -1.3℃
西日本 -0.9℃
2006年 東日本 ‐0.3℃ //
2009年 北日本 -0.9℃ 継続
東日本 -0.5℃
西日本 -0.4℃
2014年 西日本 -0.6℃ 継続
2015年 西日本 ‐0.8℃ 継続

※1993年(平成5年)の夏は記録的な冷夏。北日本の気温平年差は‐2.3℃(現在までの観測史上2番目に低い)、東日本は-2.2℃(同2位)、西日本は-1.7℃(同1位)で、沖縄をのぞき全国的に冷夏(かなり気温が低くい)でした。またこの年は沖縄・奄美をのぞき、すべての季節で平年の気温を下回っています。

おもな都市の6月~8月(3か月間)の平均気温は札幌市が18.2℃、東京(千代田区)は23.0℃、名古屋市は23.5℃、大阪市は24.9℃、福岡市は22.4℃でした。8月の最高気温(平均)をみると、名古屋、大阪、福岡は30℃前後で、2022年と比べると5℃前後も低い冷夏でした。

降水量は東日本で平年の144%(同2番目に多い)、西日本で176%(同1位)で非常に多くなりました。お米の生産に大きな影響が発生し、深刻なコメ不足(1993年米騒動)からタイ米などの輸入米が店頭に並ぶなどがありました。

(2)世界的な影響は・・?

気温が高くなる地域も多く、豪雨災害などの異常気象が目立つということです。

16地域区分の気温と降水量

地域区分での気温と降水量の予想。日本海側、太平洋側を含む16区分の気温平年差(前年と比較)、および過去5年間(6月~9月)の気温を掲載しています。

おもな都市の平均気温・降水量

1月~12月の上旬・中旬・下旬について、最高と最低の平均気温と降水量を掲載しています。※リンク先ページに移動します。

いつから暑い/いつまで暑い

真夏日になる頃

  • 真夏日を最初に記録する平年日
  • 最高気温(平均)が真夏日になった期間
都市 平年日 2022年
期間(旬)
2021年
期間(旬)
東京 7月18日 6月下旬 7月中旬
名古屋 7月6日 6月下旬 7月中旬
大阪 7月4日 6月下旬 7月中旬
広島 7月10日 6月下旬 7月中旬
福岡 7月8日 6月下旬 7月上旬

真夏日が終わる頃

  • 真夏日を最後に記録する平年日
  • 最高気温(平均)が真夏日を下回るようになった期間
都市 平年日 2022年
期間(旬)
2021年
期間(旬)
東京 9月1日 9月上旬 9月上旬
名古屋 9月11日 9月下旬 9月上旬
大阪 9月14日 9月下旬 10月中旬
広島 9月11日 9月下旬 10月中旬
福岡 9月6日 9月下旬 10月中旬

いつまで暑い?
いつから涼しくなる?

▲全国約60地点で真夏日が終わる平年日、および過去3年間の記録です。

2022年の夏を振り返る

数値は気象庁の「過去の地域平均気象データー」から出典

夏の期間平均気温は日本全体では過去10年でもっとも高くなっています。また年間を通しての平均気温も1898年以降(124年間)で4番目に高くなっています。

どんな夏だった?

2022年6月

上旬の気温(平年差)は北・東・西日本のいずれの地域も平年より低くなっています。中旬は北日本でやや高く、東・西日本は平年並の範囲でした。しかし下旬はいずれの地域も平年を大きく上回り、北日本は+2.9℃、東日本は+4.0℃、西日本は+3.2℃です。東・西日本は統計開始(1946年)以降でもっとも高くなっています。

九州[南部]から東北[南部]まで、過去もっとも早い梅雨明けでした。

2022年7月

気温は全国的に平年を上回っています。特に北日本では平年より1.8℃高く、2年連続で平年を大きく上回っています。例年では下旬頃まで梅雨の期間ですが、東京の降水量は233.0㎜(平年の約1.43倍)、名古屋市は366.5㎜(同1.73倍)です。

2022年8月

気温は全国的に平年を上回っています。特に西日本で平年より1.0℃高くなり、暑い日が続きました。降水量は北日本で平年値に比べ183%、東日本は148%と多くなりました。

猛暑日は東京(千代田区)で6回(前年より4回多い)、名古屋市で8回(同2回多い)、大阪市で8回(同1回多い)、福岡市は前年より9回多い13回でした。

最近は9月も夏の気温が続くね。

極端な豪雨も増えているし、
穏やかな夏になって欲しいね。

夏の水難事故にご注意を!

2022年7月と8月の事故状況

  • 発生件数:451件(前年比-53件)
  • 水難者数:565人(前年比-51人)
  • 死者・行方不明者:212人(前年比-50人)
    ※中学生以下の子どもは16人(前年比±0人)です

水難事故の発生状況
(2021年~2022年)

▲水難事故が多く発生する場所、行為、安全対策、および2021年と2022年に発生した事故を地域別に掲載。

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近年の豪雨災害・台風

過去の記録からリスクを予見。危険箇所の把握、災害時の避難方法・場所・連絡手段、非常食・災害用品や持ち出し品の確認など、早め早めの対策が大切ですね。

豪雨災害

  • 「令和3年7月伊豆山土砂災害」7月3日に静岡県熱海市(伊豆山地区)の「逢初川=あいぞめがわ」で、大規模な土砂災害が発生。2021年9月3日現在で死者26人、行方不明者が1人、負傷者は3人と発表されています。7月1日から3日の富士市(大渕)の降水量は819㎜(同市の7月の平均降水量は255.5mm、3日間で約3.2倍の雨が降ったことになります)
  • 8月11日以降、九州・中国地方を中心に西日本の広い範囲で、記録的な大雨が続きました。15日正午までに全国15府県で44件の土砂災害が発生しています。また19日までの総雨量は九州全体で約2600ミリ、四国で約1000ミリ、中国で約580ミリなど記録的な降水量になっています。8月の大雨による被害は全国で死者が13人、重軽傷者は17人、住宅被害は8209棟(うち全壊43、半壊1315)と発表されています。(内閣府の資料|PDFから)

台風(発生と上陸数)

出典:気象庁の台風統計

2022年7月~10月

7月 8月 9月 10月
発生 2 5 7 5
上陸 1 1 1 0
2018年~2022年[表示]
7月 8月 9月 10月
2022 発生 2 5 7 5
上陸 1 1 1 0
2021 発生 3 4 4 4
上陸 1 1 1 0
2020 発生 0 8 3 6
上陸 0 0 0 0
2019 発生 4 5 6 4
上陸 1 2 1 1
2018 発生 5 9 4 1
上陸 1 2 2 0
最近の豪雨と台風被害

近年は毎年のように大雨による災害が発生しています。さまざまな災害リスクが大きくなっています。もしもの時に備えることが大切です。2014年~2021年に発生した大きな災害だけで、全国で700人近くが亡くなったり行方不明になっています。

甚大な被害を出した豪雨災害と
台風被害の記録(2014年以降)

今年の夏も節電が重要になりそう!

世界的に原油や天然ガスの供給に不安定要因が目立ち、心配な状況が続いています。猛暑が続いた場合は、電力の供給不足が発生するかもしれません。

  • エアコンの設定温度は28℃を目安に、扇風機やサーキュレーターとの併用。
  • 冷風機や扇風機の品薄も予想されます。半導体は製品本体だけでなく、リモコンなど周辺機器にも使われています。
  • 室外機は日陰(もしくはアルミカバーで日よけ)で風通しの良い場所に。雨による故障にも注意。
  • 窓の外側には「すだれ」や「サンシェード」で太陽光を遮断。
  • 就寝時は冷却グッズ(100円ショップ等での商品など)を活用。首筋を冷やすことで、体全体の体温を下げることができるということです。
  • 室内照明は電球型蛍光灯からLED照明に変更することで、照明にかかる電気代が3割~4割削減でき、発熱量も小さくなります。最近はLED照明の価格も下がっており、長寿命化も図れます。またCO2の削減で、地球温暖化抑止にもつながります。
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熱中症の搬送者数(全国)

出典:消防庁(熱中症情報)

救急搬送者数(5年間)

熱中症の搬送者数(5年間の推移)

6月 7月 8月 9月
2022年 15,969 27,209 20,252 4,931
2021年 4,945 21,372 17,579 2,355
2020年 6,336 8,388 43,060 7,085
2019年 4,151 16,431 36,755 9,532
2018年 5,269 54,220 30,410 2,811

初診時の死者数は全国で80人。※人口動態統計によると救急車の到着前に室内や屋外等で熱中症が原因とみられる近年の死者数(年間)は、1000人前後で推移しているということです。

未就学児童や小学生はアスファルト路面などからの照り返しで、頭部付近の気温は大人以上に高くなります。また発汗による体温調整も未熟で暑さの影響は大きくなります。さらに小学生低学年くらいまでは、体調不良を言葉で伝えることが困難な子も少なくなく、室内・屋外を問わず十分に気をつけることが必要です。ご高齢者の方は室内でもこまめな水分補給が大切。

熱中症の予防ポスター

消防庁が作成・配布しているポスター/リーフレットです。職場や学校に掲示することで、熱中症の予防が期待できます。各PDFで表示・印刷できます。(消防庁にリンク)

熱中症の予防ポスター 熱中症の予防ポスター 熱中症の予防ポイント

2010年代から気温が高くなり
地震の回数も大きく増加!

災害リスク

昨年(2021年)は震度3以上の地震が235回発生(前年比+71回)しています。また夏の気温が顕著に高くなり、際立った豪雨や台風災害が増え始めたのも2010年代からです。気象災害と地震の2つのリスクが大きくなっており、もしもの時に備え命を守る知識の共有が大切ですね。

最近の地震発生回数(全国)

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