高齢者ドライバーによる交通事故と対策

高齢者の運転による交通事故が目立っています。事故の発生状況と対策をまとめています。

高齢者の運転による死亡事故は、2004年以降毎年400件を超えています。

75歳以上から死亡事故が急増

警察庁の資料によると、免許人口10万人あたりの死亡事故件数は、75歳以上から大きく増加します。65歳~69歳までの約1.7倍で、80歳~84歳では同約3倍、85歳以上では同約4.3倍になっています。

年齢層別の死亡事故件数(免許人口10万人あたり)

年齢送別死亡事故件数

▲拡大(出典:警察庁)

75歳以上の免許保有者数の推移

高齢者の免許保有人口の推移

▲拡大(出典:警察庁)

死亡事故の原因(2017年)

警察庁が75歳以上の高齢者による死亡事故(418件)を分析。

  1. 操作不適(操作ミスなど):31%
  2. 安全不確認:24%
  3. 内在的前方不注意(漫然運転など):15%
  4. 外在的前方不注意(わき見運転など):11%
  5. 判断ミス:8%

75歳未満の死亡事故原因と比較すると、1の操作不適の比率がが約2倍(75歳未満は16%)になっています。また操作不適のうち、ハンドルの操作不適(18%)、ブレーキとアクセルの踏み間違いが6.2%です。

2~5の比率については、75歳未満より小さくなっています。

運転時認知障害チェックリスト30

30問のうち5問以上にチェックが入った方は要注意です。

  1. 車のキーや免許証などを探し回ることがある。
  2. 今までできていたカーステレオやカーナビの操作ができなくなった。
  3. トリップメーターの戻し方や時計の合わせ方がわからなくなった。
  4. 機器や装置(アクセル、ブレーキ、ウィンカーなど)の名前を思い出せないことがある。
  5. 道路標識の意味が思い出せないことがある。
  6. スーパーなどの駐車場で自分の車を停めた位置が分からなくなることがある。
  7. 何度も行っている場所への道順がすぐに思い出せないことがある。
  8. 運転している途中で行き先を忘れてしまったことがある。
  9. 良く通る道なのに曲がる場所を間違えることがある。
  10. 車で出かけたのに他の交通手段で帰ってきたことがある。
  11. 運転中にバックミラー(ルーム、サイド)をあまり見なくなった。
  12. アクセルとブレーキを間違えることがある。
  13. 曲がる際にウインカーを出し忘れることがある。
  14. 反対車線を走ってしまった(走りそうになった)。
  15. 右折時に対向車の速度と距離の感覚がつかみにくくなった。
  16. 気がつくと自分が先頭を走っていて、後ろに車列が連なっていることがよくある。
  17. 車間距離を一定に保つことが苦手になった。
  18. 高速道路を利用することが怖く(苦手に)なった。
  19. 合流が怖く(苦手に)なった。
  20. 車庫入れで壁やフェンスに車体をこすることが増えた。
  21. 駐車場所のラインや、枠内に合わせて車を停めることが難しくなった。
  22. 日時を間違えて目的地に行くことが多くなった。
  23. 急発進や急ブレーキ、急ハンドルなど、運転が荒くなった(と言われるようになった)。
  24. 交差点での右左折時に歩行者や自転車が急に現れて驚くことが多くなった。
  25. 運転している時にミスをしたり危険な目にあったりすると頭の中が真っ白になる。
  26. 好きだったドライブに行く回数が減った。
  27. 同乗者と会話しながらの運転がしづらくなった。
  28. 以前ほど車の汚れが気にならず、あまり洗車をしなくなった。
  29. 運転自体に興味がなくなった。
  30. 運転すると妙に疲れるようになった。

最近の高齢者運転による主な事故

高齢ドライバーによるおもな事故例(平成30年)

高齢者ドライバーによる事故(表示する)
  • 3月15日:岐阜県大垣市の喫茶店で、78歳女性が運転する乗用車が突っ込み、店内にいた客の男女4人が軽傷。
  • 3月2日:北九州市八幡西区陣原4丁目で、同区内に住む無職の男性(84)運転の軽乗用車がガードレールに激突。同乗者の女性(82)が重傷
  • 3月1日:神奈川県箱根町畑宿の県道で71歳の女性が運転する車がガードレールに衝突する事故。この事故で後部座席に乗っていた男性(88)と妻(84)が死亡。
  • 2月19日:静岡市葵区の旅行代理店に80代の女性が運転する車が突っ込み、3人がけがをする事故。ブレーキとアクセルを踏み間違えが原因。
  • 2月4日:栃木県佐野市の渡良瀬大橋にかかる国道50号線で、75歳の男性が運転する軽ワンボックスカーが反対車線を走る軽乗用車と正面衝突する事故。運転した男性が死亡し、
    軽乗用車を運転していた女性もけがを負っています。
  • 2月2日:秋田市の市立秋田総合病院の駐車場で、80代の男性が車のアクセルとブレーキを踏み間違えて駐車場に突っ込み、止まっていた車7台にぶつかる事故。
  • 1月30日:岡山県赤磐市で、70歳の女性が運転する乗用車が対向車線にはみ出し、3台の車に次々と衝突しする事故。この事故で追突された軽トラックが下校中の小学生の列に突っ込んで小学校4年生の女児(9)が死亡、男女4人の児童が重軽傷を負っています。
  • 1月28日:愛知県豊川市で、93歳の男性が運転する乗用車が有料駐車場から出る際、道路脇のブロック塀に衝突。後部座席に乗っていた妻(91)死亡。
  • 1月28日:北九州市小倉北区で、82歳の男性が運転する乗用車が歩道を歩いていた女性(69)をはね、重傷を負わせる事故。
  • 1月15日:栃木県鹿沼市のスーパーマーケットの駐車場で、87歳の男性が運転する車がが女性(71)をはねて死亡させる事故。
  • 1月12日:大阪府藤井寺市で、91歳の男が無免許運転で1才児をはね重傷を負わせ、現場から逃走するひき逃げ事件。
  • 1月10日:名古屋市中川区の交差点で、81歳の男が運転する車が横断歩道を渡っていた男性(68)をはねて死亡させる事故。
  • 1月9日:群馬県前橋市の県道で85歳の男が運転する乗用車が対向車線にはみ出し、登校中の女子高校生が乗った自転車2台に衝突する事故。この事故で高校生2人が意識不明の重体になっています。(その後1人が死亡)

高齢者になると運動能力や認知能力の衰えから、運転中の危険予知、危険回避に支障をきたす場合があります。特に運転中の視野では、20歳代の若者と比べ狭い範囲となり、横からの歩行者の飛び出しなどに、迅速な対応が困難になってきます。

免許の自主返納と認知機能検査

「記憶・判断力が低くなっている」と判定された75歳以上の運転者全員に、医師の診断が義務付けられ、認知症と診断された場合は免許停止か再交付が停止されます。

免許の自主返納と優遇制度

  • 概要:各自治体が実施(1998年から導入)
  • 特典など:自治体により異なりますが、バスやタクシー、飲食店などでの割引サービスなどが受けられます。
  • 返納率:平成27年末現在の返納率(65歳以上)は、約2%となっています。

高齢者の運転マークは義務?

高齢者マーク

正式名称は「高齢運転者標識」です。道路交通法に基づく標識の一つで、70歳以上の運転者が運転する普通自動車に表示します。

道路交通法では、75歳以上の高齢運転者標識を付けないで普通自動車を運転することは、禁じられています。(70歳以上は努力義務規定)
罰則については、当面の間適用しないとなっており、平成28年11月現在では、違反者に対する罰則はありません。

他の運転者には、保護義務があります。

この標識を掲示した車両に、幅寄せ・割り込みなどの行為を行った場合、「初心運転者等保護義務違反」に問われます。

  • 行政処分:1点(基礎処分)
  • 反則金:6,000円(普通自動車)

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