近年の豪雨災害と台風被害の特徴(6月~10月)

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豪雨災害

過去の災害からリスクを予見
2014年~2021年に発生した大きな災害だけで、全国で700人近くが亡くなったり行方不明になっています。

2014年以降の6月~10月に甚大な被害が発生した災害(概要)を掲載しています。近年の夏は毎年のように、台風や豪雨による大きな被害が発生しています。災害が発生するかもしれないを前提に、被害を最小にするための対策、情報の共有が大切です。死傷者数等の被害状況は最終発表と異なる場合があります。

[目次]

全国の公営住宅(約3万2000)のうち、4割以上は災害リスクがある地域

2021年(令和3年)の夏

どんな夏だった?

コロナ禍の中で2回目の夏です。東日本と西日本の8月中旬は、記録的な大雨が続きました。西日本の降水量は平年の767%(7倍以上!)で統計開始以降(1946年)で最多記録になっています。長雨の影響で西日本の8月中旬の気温平年差は-3.1℃で、統計開始以降でもっとも低く、8月初旬と下旬に暑い日があったものの、月間の気温は平年を下回っています。また9月中旬以降は西日本を中心に10月初旬まで厳しい残暑が続きました。

太文字は気温(平年差)が1.0℃以上、降水量の比率が150%以上です。

地域6月7月8月9月
北日本気温+1.5+2.3+0.3-0.2
降水664711373
東日本気温+0.6+0.6+0.1-0.4
降水8314920585
西日本気温+0.5+0.5-0.7+0.6
降水669433196
沖縄
奄美
気温+0.3-0.1-0.3+0.8
降水1991497675

8月中旬の大雨

  • 8月11日以降、九州・中国地方を中心に西日本の広い範囲で記録的な大雨
  • 15日正午までに全国15府県で44件の土砂災害が発生しています。

8月19日までの総雨量(内閣府の資料|PDFから)

  • 九州:約2600ミリ
  • 四国:約1000ミリ
  • 中国:約580ミリ

死傷者等

  • 死者:13人
  • 行方不明者:///
  • 負傷者:17人

令和3年7月伊豆山土砂災害

  • 7月3日に静岡県熱海市(伊豆山地区)の「逢初川=あいぞめがわ」で、大規模な土砂災害が発生。
  • 7月1日から3日の富士市(大渕)の降水量は819㎜(同市の7月の平均降水量は255.5mm、3日間で約3.2倍の雨が降ったことになります)
  • 被災地区は別荘も多く、被害者の身元確認が難航した。

死傷者等

  • 死者:26人
  • 行方不明者:1人
  • 負傷者:3人
  • 住宅被害:128棟(全壊と半壊)
その他の災害・事故など
  • 熱中症の搬送者数(6月~9月)は、46,251人です。(消防庁の発表)

被災地での犯罪(空き巣・詐欺)
被害を防ぐために

もしもの災害時に準備したいアイテム

2020年(令和2年)の夏

どんな夏だった?

コロナ禍の中で初めての夏です。6月の気温は全国的にかなり高くなりました。また東日本の8月の気温は2年連続で前年の平年差を超えています。(災害級の暑さといわれた2018年8月より気温が高い)また9月の平年差も2年連続で1.0℃を超えています。

太文字は気温(平年差)が1.0℃以上、降水量の比率が150%以上です。

地域6月7月8月9月
北日本気温+1.5-0.3+1.3+1.3
降水991189196
東日本気温+1.5-1.2+1.8+1.2
降水1312233890
西日本気温+1.2-1.5+1.4+0.2
降水12921736127
沖縄
奄美
気温+1.1+0.4+0.3-0.1
降水14112417787

令和2年7月豪雨

熊本県の被害が甚大だったため、「熊本豪雨」ともいわれています。

  • 7月3日~31日にかけ、西日本から東日本、東北地方の広い範囲で大雨。(特に4日から7日にかけて九州で記録的な大雨)
  • 熊本県、福岡県、鹿児島県、大分県、佐賀県、長崎県、岐阜県、長野県など西日本の広範囲で豪雨が続き甚大な被害が発生。
  • 気象庁は「梅雨前線が長期間停滞し、暖かく湿った空気が流れ込み続けたため」と発表しています。
  • この期間の総雨量は「西日本豪雨=平成30年7月豪雨」を超えています。

死傷者等

  • 死者:76人
  • 行方不明者:8人
  • 負傷者:20人
その他の災害・事故など
  • 熱中症の搬送者数(6月~9月)は、64,869人です。(消防庁の発表)
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2019年(令和元年)の夏

どんな夏だった?

東日本の8月は前年の気温平年差より高くなりました。9月に入ってからも東・西日本で厳しい残暑が続きました。

太文字は気温(平年差)が1.0℃以上、降水量の比率が150%以上です。

地域6月7月8月9月
北日本気温+0.3+0.3+0.6+0.9
降水1066312361
東日本気温0.0-0.8+1.1+1.5
降水13412010557
西日本気温+0.1-0.80.0+1.4
降水7813717363
沖縄
奄美
気温-0.30.0+0.2+0.1
降水145142113154

この年は8月から10月まで、東日本の気温は平年より1.1℃~1.6℃上回っています。(前年の7月と8月は「災害級の暑さ」と言われましたが、9月の気温は大きく下がり平年より0.5℃低い)

日本近海の海面水温が高い状態で台風が近づくと、勢力を落とさずに上陸することが多いといわれてています。

台風19号(令和元年東日本台風)

  • 10月6日発生した「台風19号=最低気圧915hpa」は、12日に日本に静岡県伊豆半島付近に上陸。(期間は10月6日~13日)
  • 関東・甲信地方、東北地方などで記録的な大雨。
  • 台風通過中の13日は最大で9都県の210万人に避難指示
  • 避難するため車で移動中に流されるなどのケースが目立った。(相模原市では車で避難の途中に川に流され、両親と子ども2人が亡くなっています)
  • 「激甚災害指定」、および台風としては初めて「特定非常災害」に指定

死傷者等

  • 死者:105人(このうち17人は車で移動中に死亡)
  • 行方不明者:3人
  • 負傷者:375人
  • 建物被害:10万0621棟(全国)

車で避難する場合は、道路や河川の状況に十分な注意が必要

  • 堤防の決壊や増水による橋の崩落
  • ため池の決壊(農水省のデータによると、農業用のため池は全国に15万9543箇所。Googleマップ等で身近にあるため池を確認)
  • 道路の陥没や崩落
  • 落石・がけ崩れ
  • アンダーパスの冠水

何より大切なのは早めの避難。暗くなる前に、増水が始まる前にです。また避難場所までの近道を優先するのではなく、遠回りしてでも安全なルートを慎重に選びましょう。

台風15号(令和元年房総半島台風)

  • 9月5日に発生し9日に千葉市付近に上陸。
  • 関東地方に上陸したものとしては観測史上最強クラスの勢力。
  • 激甚災害に指定されています。(8月の大雨による被害を含む)
  • 千葉県では大規模な停電が発生し、復旧まで16日を要しました。

死傷者等

  • 死者:9人
  • 行方不明者:///
  • 負傷者:160人

台風10号

  • 8月6日に発生し8日頃から11日頃にかけて小笠原諸島近海でほとんど停滞。
  • 15日に広島県呉市付近に上陸。(その後日本海に抜ける)

死傷者等

  • 死者:3人
  • 行方不明者:///
  • 負傷者:57人
その他の災害・事故など
  • 熱中症の搬送者数(6月~9月)は、71,317人です。(消防庁の発表)

被災地での犯罪(空き巣・詐欺)
被害を防ぐために

もしもの災害時に準備したいアイテム

2018年(平成30年)の夏

どんな夏だった?

東日本と西日本の7月と8月は「災害級の暑さ」といわれた年です。多くの地点で最高気温が統計開始以降の最高を更新しました。東・西日本は記録的な高温になり、降水量は北日本(日本海側)と西日本(太平洋側)、沖縄・奄美でかなり多なりました。

太文字は気温(平年差)が1.0℃以上、降水量の比率が150%以上です。

地域6月7月8月9月
北日本気温+0.2+1.0-0.5-0.1
降水14112114870
東日本気温+0.5+2.3+1.0-0.5
降水928992178
西日本気温+0.3+1.4+1.0-0.3
降水10115157201
沖縄
奄美
気温+0.2-0.6-0.3+0.4
降水124234159114

この年の梅雨明けは近畿・東海で7月9日頃、関東・甲信は6月28日頃など、全国的に平年よりかなり早く、梅雨明け直後の7月から猛暑になり、8月までかなり暑い日が続きました。しかし9月に入ると気温は大きく下がり、平年よりやや低くなっています。翌年9月は平年よりかなり高くなっています。

西日本豪雨(平成30年7月豪雨)

  • 発生期間は6月28日から7月8日
  • 被害は西日本から北海道までの広い範囲で集中豪雨
  • 死者数は263人で平成時代ではもっとも死者数が多かった豪雨災害(その前の災害で死者数が250人を超えたのは、1982年の「長崎水害」で死者は299人)
  • 気象原因は台風7号および梅雨前線等の影響によるもの

期間中の総雨量

  • 九州地方:900mm
  • 中国地方:500mm
  • 四国地方:1,800mm
  • 近畿地方:600mm
  • 中部地方:1,200mm

死傷者等

  • 死者:263人
  • 行方不明者:8人
  • 重傷者:141人
  • 負傷者:343人
  • 住宅の被害(全壊):6783棟
  • 住宅の被害(半壊):1万1346棟
  • 住宅の被害(一部損壊):4362棟
  • 住宅の被害(床上・床下):2万8619棟
その他の災害・事故など
  • 9月6日に「北海道胆振東部地震=最大震度7」が発生し、死者43人、重傷者48人、軽傷者734人の人的被害が発生。
  • 6月18日に「大阪腹部地震=最大震度6弱」が発生し、死者6人、重傷者62人、軽傷者400人の人的被害が発生。
  • 熱中症の搬送者数(6月~9月)は92,710人で、2021年までの10年間ではもっとも多くなっています。(消防庁の発表)
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被災地での犯罪(空き巣・泥棒・詐欺)
被害を防ぐために

もしもの災害時に準備したいアイテム

2017年(平成29年)の夏

どんな夏だった?

夏(6月~8月)全般の気温は、東・西日本で高く沖縄・奄美でかなり高くなりました。

太文字は気温(平年差)が1.0℃以上、降水量の比率が150%以上です。

地域6月7月8月9月
北日本気温+0.9+1.8-1.0-0.8
降水15410584104
東日本気温-0.7+1.3-0.1-0.7
降水639211978
西日本気温-0.6+1.3+0.6-0.7
降水786796116
沖縄
奄美
気温-0.2+0.5+1.2+1.1
降水98584687

九州[北部]豪雨

  • 7月5日~6日にかけ福岡県と大分県で発生した集中豪雨
  • おもな気象原因は「台風3号」および活発な梅雨前線によるもの

死傷者等

  • 死者:40人(このうち30人が屋内で死亡)
  • 行方不明者:2人
  • 負傷者:///
  • 住宅被害は3137棟(床下浸水を含む)

台風21号

  • 発生期間は10月16日~10月23日
  • 10月23日の上陸は統計史上3番目に遅い記録
  • 1991年以降初めて「超大型」の状態で日本に上陸した台風
  • 最低気圧は915hPa

死傷者等

  • 死者:10人
  • 行方不明者:///
その他の災害・事故など
  • 熱中症の搬送者数(6月~9月)は、49,583人です。(消防庁の発表)

2016年(平成28年)の夏

どんな夏だった?

全国的に夏の平均気温は高く、特に沖縄・奄美では、6月~8月の平均気温が平年差+1.1℃と観測史上1位となりました。 記録的な多雨となった北日本(太平洋側)は、降水量が平年比163%で観測史上1位となっています。

太文字は気温(平年差)が1.0℃以上、降水量の比率が150%以上です。

地域6月7月8月9月
北日本気温-0.2-0.1+1.5+0.7
降水1649619192
東日本気温+0.40.0+0.3+0.9
降水9668143139
西日本気温+0.3+0.5+0.7+0.7
降水1488162182
沖縄
奄美
気温+1.2+0.7+0.6+0.5
降水738973151

平成28年8月北海道豪雨

  • 発生期間は8月7日~8月30日
  • 4つの台風が北海道に上陸または接近し、前線が刺激されたことによる集中豪雨

死傷者等

  • 死者:4人
  • 行方不明:2人
  • 住宅被害:1291棟(床下浸水を含む)

平成28年梅雨前線豪雨

  • 発生期間は6月19日~6月30日
  • 本州付近に梅雨前線が停滞し、その上を低気圧が通過したことで西日本を中心に大雨が続きました。

死傷者等

  • 死者:6人
  • 行方不明:1人
その他の災害・事故など
  • 4月14日に「熊本地震=最大震度7」が発生しています。死者は273人(うち関連死50人)、負傷者は2,809人と発表されています。
  • 熱中症の搬送者数(6月~9月)は、47,624人です。(消防庁の発表)

2015年(平成27年)の夏

どんな夏だった?

北日本と沖縄・奄美の気温は平年を上回り、西日本は「冷夏」となりました。

太文字は気温(平年差)が1.0℃以上、降水量の比率が150%以上です。

地域6月7月8月9月
北日本気温0.0+0.8-0.2-0.5
降水1098169119
東日本気温-0.2+0.2-0.2-1.1
降水103132124145
西日本気温-0.8-0.9-0.7-1.4
降水12211913593
沖縄
奄美
気温+1.50.0-0.2-0.2
降水6119117348

関東・東北豪雨

  • 9月9日から11日にかけて関東地方および東北地方で発生した豪雨災害。
  • 茨城県、栃木県、宮城県などで大きな被害。

死傷者等

  • 死者:20人
  • 行方不明者:0人
  • 負傷者:82人
  • 住宅被害:23,337棟(床下浸水を含む)
その他の災害・事故など
  • 熱中症の搬送者数(6月~9月)は、52,948人です。(消防庁の発表)
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2014年(平成26年)の夏

どんな夏だった?

夏の期間(6月~8月)全般としては、西日本で気温が低くなりました(2003年以来11年ぶり)、北日本、東日本では5年連続で高く、沖縄・奄美では2年連続で高くなっています。

太文字は気温(平年差)が1.0℃以上、降水量の比率が150%以上です。

地域6月7月8月9月
北日本気温+1.4+1.0+0.1-0.8
降水1228615573
東日本気温+0.7+0.2-0.6-1.2
降水1127313950
西日本気温-0.3-0.2-1.2-0.9
降水688624659
沖縄
奄美
気温-0.2+0.4+0.1+1.0
降水1031377343

2014年8月の広島市土砂災害

  • 発生は8月20日夜から翌日の朝
  • 狭い範囲に集中豪雨が発生。数百年に1回程度よりはるかに少ない確率で発生した記録的集中豪雨で、線状降水帯が発生し3時間降水量は200ミリ以上。広島市の降水量(8月の月間)は平年値で131.4mmです。この1.5倍以上がわずか3時間で降ったことになります。ちなみに200ミリの降水量は平らな場所で水深20センチです。雨水は当然低い所に流れるため、上流で降った雨は途中の斜面に深く浸透し土砂災害が発生したり、住宅地の道路などでは冠水し、川などでは氾濫や堤防の決壊につながります。
  • 広島市安佐北区・安佐南区の複数箇所にて大規模な土砂災害が発生。
  • 深夜にかけての災害で迅速な災害情報の伝達や避難指示が十分でなく、避難も困難であったことなどから大きな被害につながったとされています。
  • 線状降水帯=発達した雨雲が、線状に連なり発生し大雨を降らせる」が注目され始めたのは、この災害の頃からといわれています。

死傷者等

  • 死者:77人(関連死を含む)
  • 家屋の全半壊:255棟

被災地での犯罪(空き巣・泥棒・詐欺)
被害を防ぐために

もしもの災害時に準備したいアイテム

平成26年8月豪雨

  • 7月30日から8月26日にかけて台風12号、11号および前線の影響により、日本の広範囲で断続的に発生した豪雨。
  • 京都府福知山市などで甚大な被害が発生。

死傷者等

  • 死者:84人
  • 負傷者:75人
その他の災害・事故など

熱中症の搬送者数(6月~9月)は、40,048人です。(消防庁の発表)

公営住宅の災害リスク

国交省の調査(2021年)によると、全国にある市町村が管理する公営住宅(約3万2000の団地等で都営住宅をのぞく)の4割以上(1万4573か所)は、大雨や土砂災害、津波による浸水の危険性がある地域に建てられているということです。

災害リスクの内訳

  • 川の氾濫などによる洪水の浸水想定区域:8,688か所
  • 土砂災害警戒区域:4,853か所
  • 高潮の浸水想定区域:2,017か所
  • 津波の警戒区域:1,241か所

周辺の危険箇所、ハザードマップの確認を

公営住宅に限ったことではありませんが、お住いの周辺地域の危険箇所、ハザードマップ(市区町村のHPで確認)、避難ルートや避難場所について、あらかじめ確認することが大切です。