地震発生確率と震度予測マップ[2017年版]

平成29年4月27日、「防災科学技術研究所」は今後30年以内に、震度6弱以上の地震が予想される地域と確率予測データーを更新。

確率予測地図(地震ハザードステーション)によると、関東地方の千葉市や横浜市、東海から四国では「南海トラフ巨大地震」の発生が想定される太平洋側などで、確率が高くなっています。

震度6強 耐震性の低い建物で建物の傾き・倒壊
震度6弱 耐震性の低い木造建物で瓦の落下、建物の傾き
震度5強 歩行が困難。固定していない物が落下、倒れる

防災科学技術研究所、内閣府、文部科学省、気象庁が公表している資料等を元に、地域別の発生確率、および近い将来に発生が予想される「南海トラフ地震」の概要をまとめています。

全国地震動予測地図

※2017年1月1日現在の予測(J-SHIS 地震ハザードステーションから)

出典:防災科学技術研究所(拡大表示)

出典:防災科学技術研究所(拡大表示)

日本全体では太平洋側で震度6弱以上になる地域が目立っています。特に関東から四国にかけては、確率が60%以上になる市町村もあります。

高確率 確率が26%以上
確率 確率が6%以上

地図上の赤色が濃い場所ほど確率が高く、薄い色(オレンジ~黄色)は低くなります。
濃い赤色(確率が26%以上)の地域は、震度6弱以上の地震が100年に1回程度と予想されています。

関東地方の確率分布

震度6弱以上の予測

▲関東地方で震度6弱以上の予測

おもな地点の発生確率(震度6弱以上)

  • 千葉市:85%
  • 水戸市:81%
  • 横浜市:81%
  • さいたま市:55%
  • 東京都新宿区(東京都庁付近):47%
  • 宇都宮市:13%
  • 前橋市:7%

東海地方の確率分布

東海地方の震度予測

▲東海地方の震度予測

おもな地点の発生確率(震度6弱以上)

  • 津市:63%
  • 名古屋市:46%
  • 岐阜市:27%

東海地方では「南海トラフ巨大地震」の発生が危惧されています。この地震が発生した場合、名古屋市(名古屋市役所付近)では、89%の確率で震度6弱の揺れが予想されています。

近畿・四国地方の確率分布

近畿・四国地方の震度予測

▲近畿・四国地方の震度予測

おもな地点の発生確率(震度6弱以上)

  • 奈良市:61%
  • 和歌山市:58%
    (御坊市や太地町など15市町で70%以上)
  • 大阪市:56%
  • 神戸市:45%
  • 京都市:13%
  • 大津市:11%
  • 高知市:74%(四国で最も高い)

近畿から四国にかけても「南海トラフ地震」が発生した場合、甚大な被害が想定されています。特に太平洋側の高知市(市街地)は海からの距離も近く、海抜が低い場所も多いため、津波による深刻な被害が危惧されています。

過去の震度6以上の地震

過去50年で震度6以上の地震発生回数は約50回。特に2000年以降で目立ち始めています。

1970年以降のおもな地震[表示]

※震度5と6は1997年から、2段階(弱・強)表示になっています。

  • 1972年(昭和47年)12月4日:八丈島東方沖地震(24年ぶりに震度6以上を観測)
  • 1982年(昭和57年)3月21日:浦河沖地震 (北海道浦河町で震度6)
  • 1984年(昭和59年)9月14日:長野県西部地震 (長野県王滝村で推定震度6)
  • 1993年(平成5年)1月15日:釧路沖地震 (釧路市で最大震度6)
  • 1993年(平成5年)7月12日:北海道南西沖地震 (奥尻島で推定震度6)
  • 1994年(平成6年)10月4日 北海道東方沖地震 (釧路市・厚岸町で最大震度6)
  • 1994年(平成6年)12月28日:三陸はるか沖地震(青森県八戸市で最大震度6)
  • 1995年(平成7年)1月17日 兵庫県南部地震[阪神・淡路大震災
    (淡路島北部で最大震度 7)
  • 1997年(平成9年)5月13日: 鹿児島県北西部地震 (川内市で最大震度6弱)
    この年から震度5と6は2段階(弱・強)表示。
  • 1998年(平成10年)9月3日: 岩手県内陸北部で地震(岩手県雫石町で最大震度6弱)

2000年以降

  • 2000年(平成12年)7月1日: 神津島近海(神津島で最大震度 6弱)
    ※周辺で8月までに6弱を4回記録
  • 2000年(平成12年):10月6日 鳥取県西部地震(鳥取県境港市・日野町で最大震度 6強。※日野町で震度 7相当を観測)
  • 2001年(平成13年)3月24日:芸予地震(広島県河内町・大崎上島町、熊野町で最大震度 6弱)
  • 2003年(平成15年)5月26日:宮城県沖で地震(三陸南地震、宮城県北部沖地震、東北地震)(岩手県・宮城県で最大震度 6弱)
  • 2003年(平成15年)7月26日: 宮城県中部(北部)で地震(宮城県東松島市・鳴瀬町で最大震度 6弱。同日に6強、6弱を記録)
  • 2003年(平成15年)9月26日:十勝沖地震:(北海道新冠町・静内町・浦河町・鹿追町・幕別町・豊頃町・忠類村・釧路町・厚岸町で最大震度 6弱)
  • 2004年(平成16年)10月23日: 新潟県中越地震[新潟県中越大震災]( 新潟県川口町で最大震度 7)
    ※10月までに震度6弱、強を合わせて4回記録。
  • 2005年(平成17年)3月20日:福岡県西方沖地震(福岡県福岡市・糸島市、佐賀県みやき町で最大震度 6弱)
  • 2005年(平成17年)8月16日:宮城県沖で地震 (宮城県川崎町で最大震度6弱)
  • 2007年(平成19年)3月25日:能登半島地震 (石川県穴水町・輪島市・七尾市で最大震度 6強)
  • 2007年(平成19年)7月16日:新潟県中越沖地震 (新潟県長岡市・柏崎市・刈羽村、長野県飯綱町で最大震度 6強)※同日新潟県長岡市、出雲崎町で最大震度6弱を記録。
  • 2008年(平成20年)6月14日: 岩手・宮城内陸地震 (岩手県奥州市と宮城県栗原市で最大震度 6強)
  • 2008年(平成20年)7月24日: 岩手県沿岸北部で地震 (青森県八戸市・五戸町・階上町、岩手県九戸郡野田村で最大震度6弱)
  • 2009年(平成21年)8月11日: 駿河湾で地震 (静岡県御前崎市・牧之原市・焼津市・伊豆市で最大震度6弱)
  • 2011年(平成23年)3月11日:東北地方太平洋沖地震[東日本大震災](宮城県栗原市で最大震度 7)(茨城県鉾田市で最大震度6強)
  • 2011年(平成23年)3月12日:長野県北部で地震(長野県栄村で最大震度6強)同日に6弱が2回。

2011年では「東日本大震災」の余震、誘発地震を含めて6回記録されています。

  • 2011年(平成23年)4月13日:淡路島付近で地震(淡路市で最大震度6弱)
  • 2014年(平成26年)11月22日:長野県北部で地震[長野県神城断層地震](長野県長野市、小谷村、小川村で最大震度 6弱)
  • 2016年(平成28年)4月14日:[熊本地震](熊本県益城町で最大震度7)※熊本地震では、前震・本震・余震を含めて、震度6弱以上を7回記録。
  • 2016年(平成28年)6月16日: 内浦湾で地震 (北海道函館市で最大震度6弱)
  • 2016年(平成28年)10月21日: 鳥取県中部で地震 (鳥取県倉吉市、湯梨浜町、北栄町で最大震度6弱)
  • 2016年(平成28年)12月28日 茨城県北部で地震(茨城県高萩市で最大震度6弱)

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南海トラフ巨大地震とは・・

「南海トラフ」は駿河湾から四国沖の海底(水深4000m級)にあるトラフ(深い溝)のことで、長さは約1000km(東日本大震災震源域のおよそ2倍)です。

マグニチュード8クラスの巨大地震が約100年から200年ごとに発生している場所です。

南海トラフ地震の震源域

▲南海トラフ地震の震源域

上記の震源域で発生する地震が「南海トラフ地震」で、プレート型の地震に分類されています。海底が震源域になるため、巨大津波による被害が危惧されています。

震度6以上の揺れの地域は、24府県の687の市町村、震度7は、名古屋市、静岡市、和歌山市、徳島市、宮崎市など、10県153市町村に及ぶと想定されています。

中央防災会議(2012年)では、国難とも言える巨大災害と定義されています。

過去の南海トラフを震源とする地震

  • 1944年(昭和19年):東南海地震(M7.9)|震源は紀伊半島南東沖
  • 1946年(昭和21年):南海地震(M8.0)|震源は上記と同じ

いずれも死者数が1000名を超える甚大な被害となっています。上記の地震から70年以上経っており、近い将来の発生が危惧されています。

発生確率

2017年1月1日時点で、今後30年以内に70%の確率とされています。

被害想定

※データーは内閣府の資料から出典しています。

地震によって駿河湾から紀伊半島沖を中心に大津波が発生した場合、関東以西(30都府県)で、およそ33万人の死者が出ると推計されてます。
(冬季の深夜にマグニチュード9クラスが発生した場合|2012年時点の想定)

震度6以上または3m以上の津波が想定される市町村の人口は、約5900万人と推計されています。また経済被害・損失は国家予算(年間)を上回る100兆円~150兆円規模との試算も出ています。

東日本大震災 南海トラフ(推計)
被害総額 およそ16兆円 100兆円~150兆円
死者数 1万8446人 およそ33万人
建物の全壊・焼失 約13万棟 およそ238万棟

震度・津波の想定

内閣府の「専門家作業部会」の推定。各地域の沿岸部で最大被害が予想される場所。

津波の最大高さと最短到達時間の推定

  • 大分県:15m(18分)
  • 宮崎県:17m(16分)
  • 高知県:34m(3分)
  • 徳島県:24m(6分)
  • 和歌山県:20m(2分)
  • 三重県:27m(4分)
  • 愛知県:22m(9分)
  • 大阪府:5m(59分)
  • 神奈川県:10m(26分)
  • 東京都:3m(185分)

※大きな影響を受ける恐れがある原子力発電所は、浜岡(静岡※全面停止中)、伊方(愛媛)。

マグニチュードと震度

マグニチュード(M)は地震のエネルギーを表す数値で、M8以上で巨大地震、M9以上(東日本大震災が該当)が超巨大地震とされています。
(M9~超巨大地震 > M8~巨大地震 > M7~大地震)

震度(1~7)は揺れの強さで計測震度計の数値です。マグニチュードが大きくなれば、震度の大きい地域も広くなりますが、地盤の固さなどによって揺れの大きな場所、小さい場所が変わってきます。(東日本大震災はM9で最大震度は7でした。)
※2016年の熊本地震では、M7.3の規模でしたが震度7が2回記録されています。
(震度5弱以上で多くの人が恐怖を感じるレベルといわれています。)

「全国地震動予測地図」で指標となった震度6弱では・・

※昭和56年(1981年)5月以前に建てられた木造住宅では、 当時の耐震基準から地震による倒壊リスクが高いと指摘されています。無料の耐震診断、耐震工事の補助金を実施している自治体もあります。

震度6弱

震度6弱(出典:気象庁)

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