2019年-2020年の暖冬と雪が少ない原因

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偏西風の北への蛇行と北極振動が要因

2020年の暖冬

気象庁は2020年1月24日に「令和元年12月以降の高温と少雪の状況についての速報(PDF)」を発表しています。

[目次]

気温

2019年12月1日~2020年1月23日

2020年の暖冬

出典:気象庁

2019年12月以降の地域別平年差

2019年12月 2020年 2020年2月
北日本 +0.4 +1.6
東日本 +1.5 +2.7
西日本 +1.3 +2.9
沖縄・奄美 +1.1 +1.6

冬の期間(12月~2月)で平年差がもっとも高かった年

  • 北日本:1949年(+1.9℃)
  • 東日本:2007年(+1.5℃)
  • 西日本:2007年(+1.4℃)
  • 沖縄・奄美:2019年(+1.8℃)

東日本と西日本では、これまでの気温状況が続くと統計開始以降で、もっとも気温の高い冬(暖冬)になりそうです。

降雪量

2019年11月1日~2020年1月23日

降雪量

出典:気象庁

薄青色は降雪量を観測しているが平年比を求めていない地点。

雪不足

スキー場や雪を観光資源にしている地域では、雪不足による影響が大きくなっており心配です。

このまま雪が少ないと、春の雪解け水も少なくなるから、お米などの農作物への影響も心配です。

高温傾向と雪が少ない要因

気象庁の発表内容(要約)

(1)偏西風の北への蛇行

日本付近における偏西風(亜熱帯ジ ェット気流)の北への蛇行が影響。蛇行の原因は熱帯付近の積雲対流活動がインド洋西部付近で平年よりも活発になり、 インドネシア付近では不活発となったことが影響したと考えられるとしています。

(2)正の北極振動

「正の北極振動(※)」などにより、本州付近への寒気の南下が弱く、冬型の気圧配置が続かなかったことが考えられるとしています。

※北極域の海面気圧が平年より低く、中緯度域の海面気圧が平年よりも高くなる現象。
反対に北極域の海面気圧が平年より高く、中緯度域の海面気圧が平年よりも低い場合は「負の北極振動」ということです。

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平均的な大気の流れに関する模式図

2019年12月以降

2019 年 12 月以降の平均的な大気の流れに関する模式図

出典:気象庁

今後の予想

2月以降にかけても本州付近への寒気の南下は弱く、北日本から西日本の気温は平年より高く、日本海側の降雪量は平年より少ないと予想されています。

この冬の記録

2019年12月以降について、全国各地のおもな記録を掲載しています。

  • 12月の降雪量は全国的に平年に比べ少なく、北日本で38%、東日本が26%。西日本では0%になっています。北日本と西日本は統計開始(1961年)以降でもっとも少なくなっています。
  • 1月6日[小寒]の全国の平均気温は平年値より0.88℃高く、統計開始(1898年)以降で、もっとも高くなっています。地域別でみると東日本が+1.1℃で2018年と並び1位、北日本と西日本は+0.9℃、沖縄・奄美は+0.8℃でいずれも3位。
  • 1月15日までに京都府・滋賀県にある気象庁の観測地点(全8地点)で、積雪が観測されておらず観測史上で初めて。
  • 1月17日現在で、九州の平野部(観測地点のある場所)での初雪の観測がなし。
  • 1月19日現在で名古屋市では初雪が観測されておらず、統計開始(1891年)以降で、最も遅い記録(1901年)を更新。岐阜市も1935年の記録を更新しています。
  • 1月21日に福岡市のタンポポが開花。統計開始(1953年)以降で、もっとも早くなっています。
  • 1月22日現在で、北陸地方(新潟県を含む)の降雪量(速報値)が平年比0%。統計開始(1961年)以降で0%は初めて。また23日現在で1月の平均気温は、平年値+2.4℃で1946年以降でもっとも高くなっています。
  • 1月22日に富山市の最低気温が-0.8℃となり、冬日の観測は統計開始(1939年)以降でもっとも遅い記録。
  • 1月22日現在で鳥取市の積雪が観測されず、統計開始(1961年)以降で初めて。
  • 1月25日に沖縄県那覇市の最高気温が27.6℃になり、1月としては観測史上もっとも高くなっています。
  • 1月28日に大阪市の最高気温が19.1℃となり、1月としては統計開始以降での最高気温になっています。
  • 1月の気温は東日本と西日本で、統計開始(1946年)以降もっとも高く、沖縄・奄美の気温も1954年と並んで1位です。
  • 2月9日に名古屋市で初雪を観測。119年前の観測開始以来、もっとも遅い観測。
  • 2月17日に大分県で観測史上もっとも遅い初雪を観測(平年より2か月遅れ)。
  • 3月14日に東京の桜(ソメイヨシノ)が開花。平年より12日早く、昨年より7日早い開花で、統計開始以来最も早い開花となっています。

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