夏の水難事故を防止(溺れないための対策)

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水難事故を防ぐ

7月と8月の死者・行方不明者は
1,183人(過去5年の合計)

毎年7月と8月は海や川、湖などでの水難事故が多く発生しています。悲しい事故を防ぐために。

[目次]

ページ内の数値(報道をのぞく)は水難事故の夏季統計から出典。表やグラフ等は当サイトで作成したもの。(二次情報としての再利用はご自由に)

全年齢での水難事故

2022年までの5年間で、7月と8月の水難事故は2,377件です。1日あたりでは7.7件の事故が発生していることになります。

レジャー中以外の事故(日常での転落事故など)を含みます。

夏の水難事故発生状況(2018年~2022年)

全年齢 2018 2019 2020 2021 2022
発生件数 502 461 504 451 459
水難者 595 594 616 565 638
死者
行方不明
242 239 262 212 228
負傷者 116 112 73 77 81
無事救出 237 243 281 276 329

水難者の構成比

溺れたり流された水難者の合計は3,008人で、このうち死者・行方不明者は1,183人です。

死者
行方不明
(39.3%)
負傷者
(15.3%)
無事救出
(45.4%)

子どもの水難事故

2022年までの5年間で7月と8月の水難事故は320件で、溺れたり流された水難者は555人です。このうち亡くなったり行方不明になった子どもは69人で、負傷者を含めると176人です。

  • 中学生以下です。
  • 事故件数には保護者や大人(高校生以上を含む)と一緒の場合は含まれません。
  • レジャー中以外の事故(日常での転落事故など)を含みます。

夏の子どもの水難事故

子ども 2018 2019 2020 2021 2022
発生件数 81 62 60 67 50
水難者 117 107 101 110 120
死者
行方不明
14 14 16 16 9
負傷者 32 29 15 15 16
無事救出 71 64 70 79 95

発生件数は子ども(中学生以下)だけで遊んでいた時の事故であり、過去5年ではもっとも少なくなっています。しかし水難者数は大人(高校生以上)と一緒の場合を含みます。このため発生件数に対して水難者数は大きくなります。2022年の水難者は120人で過去5年で最多です。死者・行方不明者は前年より減ったものの、溺れたり流された子どもは増えているということです。家族やグループでのレジャーにおいても十分な注意が必要です。

水難者の構成比

死者
行方不明
(12.4%)
負傷者
(19.3%)
無事救出
(68.3%)

報道ベースの事故状況(参考データ)

過去5年の6月~9月の期間に報道された事故から872件を記録しています。オフィシャルなデーターではありませんが、参考情報として掲載します。

1.若年層の事故

警察庁の「夏季統計」は7月と8月の2か月間に発生した水難事故で、レジャー以外の事故を含みます。そこで6月~9月に報道されたレジャー中の事故から、若年層の死亡・行方不明者数を分類しています。死者数は報道時の状況で心肺停止を含みます。意識不明・重体はのぞいています。

年齢層 未就
学児
小学生
中学生
高校生
大学生
死者
行方不明
9人 98人 156人

心肺停止であっても蘇生処置で回復するケースもあります。報道においての心肺停止は、医師による死亡確認の前で使用されることもあります。

2.事故が多かった日

こちらは7月と8月の事故(682件を記録)で5年間の合計です。報道された中での事故件数で、それ以外を含めるとさらに多いと思います。

2-1.最多日は8月11日で44件

過去5年の事故件数でもっとも多かったのは8月11日で「山の日」です。お盆休み初日にもっとも多く発生しています。次いで多かった日は8月14日(29件)、8月9日(22件)の順です。7月にもっとも多かったのは31日で20件です。

2-2.お盆休み期間の合計は153件

お盆は8月13日~16日ですが、お盆休み期間は8月11日~16日が多いと思います。2023年は8月11日(金)~16日(水)で6連休の方が多いと思います。くれぐれもご安全に。

 

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水難事故を防ぐために

水難事故の発生件数、水難者・死者数等は毎年ほぼ同じ状況が続いています。過去5年の7月と8月だけで3,008人が溺れたり流され、このうち1,183人が亡くなったり行方不明になっています。

レジャーを楽しむ前に

9月も水難事故に
注意しようね!

水難事故を防ぐ方法

溺れたり流された人の約4割(39.3%)は命を失っています。救助されたものの負傷した人は15.3%です。溺水事故は、深刻な後遺症を負う場合もあると思います。この比率は毎年大きな差はなく、泳ぐことが得意、苦手に関わらず人間が自然に抗うことは不可能です。

レジャーを楽しむ前に、まずは天候を確認。次に海や川では波の状況、風の強さ、水温、水の流れなどを確認。また気象情報にも注意しましょう。そして過去に発生した事故などから、命を失うかもしれないリスクを想像する。

想像は自制につながります。

無謀な行為をせず、命を失うかもしれない行動を回避できるようになります。しかし想像の範囲は見聞きした数、これまでの経験など人により異なります。子どもは危険に対する想像力が未熟です。大人が教えてあげることが必要です。「少しでも早く気づいていれば・・」をなくしたいですね。

海での事故を防ぐ

遊泳禁止場所、海開き前または遊泳期間終了後に、泳いで事故に遭うケースが多く発生しています。

海での水難事故

遊泳期間以外は監視員(ライフセーバーなど)が不在であり、溺れた場合は救助が遅れるなど危険が大きくなります。遊泳禁止の場所は離岸流が発生しやすい、足に絡む藻が多い、海底に岩など障害物が目立つなどで、見かけで判断できない危険があります。また場所によっては猛毒を持つ「カツオノエボシ」など危険なクラゲ、サメなどの海洋生物によるリスクもあります。(遊泳禁止場所、遊泳期間終了後は防護ネットがない)

(1)台風の接近時はレジャーをしない

台風の影響で波が高かった」などの事故原因が目立ちます。お盆を過ぎると台風の接近が多くなります。遠方の台風であっても早くから波への影響が出始め、突発的な高波(土用波)や海上では、うねりが発生します。また「波浪注意報」など気象情報が出されているときもレジャーは避けましょう。

▲波のイメージ映像(音なし)30秒です。

事故のリスクは波の高さ(波高)だけでなく、波の間隔、周期(波長)にも影響されます。波長が8秒以上ある場合は近海の発達した低気圧によるもの、遠方の台風の場合は13秒以上といわれます。この波長が長いほど水量は多く、寄せて引く時の波の力は大きくなります。

足をすくわれ流されないように、台風接近時は海岸に近づくことは避けましょう。過去5年間の6月~9月に発生したレジャー中の水難事故(海・川・湖)で、台風を含め気象状況が原因または可能性のある事故は報道分だけで少なくとも69件です。

過去には静岡市の海岸(駿河湾)で、大学生の男女3人が海に流され亡くなる痛ましい事故も発生しています。(台風の影響で波が荒れていた)

(2)海辺や沿岸域の危険生物

  • カツオノエボシ
    猛毒のカツオノエボシ。絶対に触らない。

スワイプ スワイプでスライド表示。
(オンマウス・タップで停止)
スマホは横向きが見やすいです。

上記以外にも強い毒をもつ「イモガイ」の仲間など、危険な海洋生物にご注意を。

(3)サインフラッグをご存じですか?

ライフセーバーが海水浴場で使うサインフラッグ

サインフラッグはライフセーバーが使います。海水浴場の遊泳の可否、避難を伝える旗の色です。色ごとの基本的な内容は下記の通りです。(海水浴場によって使用状況が異なる場合もあり、そのルールに従う)遊泳中に気象状況などで変わることもあり注意が必要です。

旗の色 意味
海水浴場のサインフラッグ(急いで避難) 緊急避難
(急いで海から上がる)
海水浴場のサインフラッグ(遊泳禁止) 遊泳禁止
(海に入ることができない)
海水浴場のサインフラッグ(旗の間は遊泳可能) 旗の間のエリアは遊泳できます。
(遊泳区域でエリア内のみ)
海水浴場のサインフラッグ(注意して遊泳) 注意して遊泳してください。
(肩より深いところでは泳がない)
海水浴場のサインフラッグ(遊泳可能) 遊泳できます。
(遊泳区域でブイのある内側)

(4)フロート遊具が強風で流される事故

子どもが海で使用するフロート遊具は、風による影響を受けやすく、強風で沖に流される事故が目立つということです。「国民生活センター」の実験では、風速2~4メートルの風で、漂流から2分弱で約50メートルも沖に流されたということです。風が強い日は使用を避けましょう。

フロートが流される事故

(5)シュノーケリング中の事故

シュノーケリング中の事故

シュノーケリング中の事故が目立っています。2022年は7月と8月だけで19人(年間は29人)の方が亡くなっており、2016年以降でもっとも多くなっています。近年の事故状況を掲載しています。

川で溺れないために

大雨の影響で普段より水量が多く流れが速かった」といったケースが多くみられます。お出かけ地域の気象情報を十分に確認して、安全を最優先にした行動が大切です。またレジャー当日も急な雷雨などで、水量や流れが急変することもあります。

遊ぶ前に危険をいっぱい想像

海や川で魚釣りする前に、水遊びする前に「かもしれない」を、できるだけ多く想像することが大事です。自然に囲まれる開放感は普段は感じる怖さを忘れさせ、油断してしまい事故につながります。

  • 溺れて生還できないかも
  • 見た目より深いかも
  • 思ったより浅くて、飛び込んだら大ケガするかも
  • 渦に巻き込まれるかも
  • 流れが速いかも
  • 水が冷たく足がつったり、体が動けなくなるかも
  • 水中に隠れてる大きな石や岩に手足を挟まれるかも
  • 離岸流が発生する場所かも
  • 突然大きな波が来るかも
  • 河原で遊んでたらヘビに噛まれたりハチに刺されるかも
  • 猛毒のクラゲや怖いサメがいるかも
  • 若い頃より体力が落ちてるかも
  • スマホ見てる間に子どもが川に入っちゃうかも
  • 流されたサンダルを追いかけると、一緒に流されちゃうかも
  • 飛びこみ禁止のプールは、頭から激突するかも

もしも溺れて命を失ったら、みんなが悲しむよ。助かったとしても呼吸困難による低酸素状態が続いたことで脳に障害を負ったら、最悪の場合は一生寝たきりの状態になることもあるよ。もう遊ぶこともスマホを楽しむことも出来なくなるよ。

溺水事故のほとんどは水を飲んだことによる呼吸困難です。窒息状態が5分続けば命が失われる状況になります。5分前に気づいていれば・・をなくすために、遊ぶ前に目いっぱいの想像力で危険に気づくことで、無謀な行動を思いとどまることができます。水に入ったあと、転落したり流されてから気づいても遅いです。また知人や友達が危ない行動をしようとしてたら、やめさせる思いやりも大切です。

今いる川は流れが速い場所、
深い場所があるかも。

水に関する漢字に使われる部首”さんずい”の横に弱で溺れるだね。人間は水に弱いかもね。最近の川には怖いカッパはいなくなったかも。でも見えないだけで危険がいっぱい隠れてるかも。この漢字は危ないことに使われることが多いかも。中学で習うようだけど覚えておくといいかもね。

水難事故防止ポスター

川での事故を防ぐ(子ども向け)
  • 川遊びが危険なことをストーリーにしました。(小学4年生以降が対象)
  • 下記のリンク先で表示します。(パソコンでの閲覧もできます)

川での事故を防ぐ
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